アーティゾン美術館がSBT認証を取得
全国の美術館の中でも、特異な役割を果たすアーティゾン美術館が、ついに「Science Based Targets(SBT)」イニシアチブからSBT認証を取得しました。これは、公益財団法人石橋財団が運営する美術館としては初の快挙です。2022年以降、同財団は「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けた取り組みを強化してきましたが、このSBT認証はその重要な一環となっています。
環境への取り組み
石橋財団は、2030年を見据えた具体的なCO₂削減目標を設定しました。その内容はスコープ1、スコープ2、スコープ3における具体的な行動計画を含んでいます。スコープ1については、事業所で発生する直接の排出量をゼロを維持、スコープ2に関しては、2020年を基準年として2030年までに使用する電力の全てを再生可能エネルギーで賄うことを目指しています。さらに、スコープ3の排出量も把握し、その削減に向けた体制を整える方針です。
美術館の環境負荷の大きな要因の一つは空調設備の使用です。作品管理や展示のためには、大量の電力を必要とします。しかし、アーティゾン美術館は2024年には再生可能エネルギーの導入を強化し、コーポレートPPA方式を通じて太陽光発電を導入する計画です。この取り組みにより、美術館で使用されるすべての電力を再生可能エネルギーに切り替えることが実現するとしています。
石橋財団アートリサーチセンターの強化
また、2025年には石橋財団アートリサーチセンターの増築も予定されています。この新しい施設では、太陽光パネルの増強により、施設の消費電力の約20%を自給できるシステムが構築されます。これにより、アートリサーチセンターも再生可能エネルギー100%の実現に向けて大きな踏み出しを見せます。
SDGs達成に向けた意義
石橋財団は設立以来、社会的課題の解決に取り組んできましたが、現在は特に気候変動問題に対して強い関心を持っています。「持続可能な開発目標(SDGs)」を達成するための活動は、美術館の展示だけでなく、寄付助成事業を通じても展開されています。
このように、アーティゾン美術館は文化財の保護や、ユニバーサルな教育普及と併せて、環境問題にも目を向けているのです。
アーティゾン美術館についての概要
アーティゾン美術館はもともと1952年に開館したブリヂストン美術館を前身としており、2020年に新たに生まれ変わりました。その名前には、アートとホライゾンを掛け合わせた意味が込められています。美術館は現代アートから古代美術まで約3000点のコレクションを所蔵し、時代の流れを超えた価値を提案しています。新しい施設では最新の照明や空調が整備されており、美術を楽しむための環境が整っています。
これからもアーティゾン美術館は、その美術を通じて、さらなる社会的価値の創造に取り組んでいくでしょう。その姿は、持続可能な未来に向けた大きな一歩として、広く支持されることでしょう。