事故物件の新たな側面を知る書籍
私たち日本社会は、少子高齢化が進む中で、「多死化社会」に突入しているとされています。死亡数が過去最高に達する中、孤独死や自殺が増加し、事故物件の数も増える傾向にあります。こうした中、株式会社イマジカインフォスから発刊される書籍『告知事項あり。その事故物件で起きること』は、新たな視点から事故物件の実態を描き出しています。この本は、株式会社カチモードの代表取締役社長・児玉和俊氏の著作であり、彼の実体験にも基づいています。
事故物件が抱える現実
日本では、2021年以降に死亡数が急増し、今後もこの傾向が続く見込みです。国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、2040年代には年間で160万人にまで達するとのこと。こうしたデータからも、多死化社会の到来が明らかです。特に、孤独死は年々増加しており、警視庁の推計によれば、昨年だけでも約6.8万人の高齢者が孤独死したとされています。このような状況下で、事故物件とは、一体誰が住むのか、またどのようにしてその価値を管理していくのかが、多くの人々にとって大きな課題となっています。
科学的アプローチの「オバケ調査」
そんな中、事故物件の価値回復に寄与しようとする株式会社カチモードが生み出したのが、「オバケ調査」です。この調査は、映像や音声、さらには温度などの科学的データを用いて、事故物件で頻繁に報告される心霊現象の実態を解明しようとするものです。具体的には、大気圧やサーモグラフィーなど、計8項目にわたる検証を行い、物件でオバケが出ないことを証明します。これにより、不動産業界において、事故物件に対する偏見を取り去り、物件価値の回復に貢献できることが期待されています。
不思議な体験をまとめた書籍
児玉氏は、15年間不動産業界に身を置き、約7,000件以上の物件を内見した経験を持ちます。その中で直面した数々の不可解な現象を、今回の書籍で初めて明かしました。実際に体験したエピソードを通じて、事故物件にまつわる恐ろしい物語が展開されます。例えば、存在しない鍵や、点検口からの不審な人物、さらには意思を持ったかのように動く人形など、まるで映画の一場面のような出来事が語られています。これらのエピソードは、世間で語り継がれる怪談とは異なり、リアルな体験に基づいています。
新設のYouTubeチャンネルも
また、本書の発売に先駆けて、2025年1月10日には「オバケ調査のカチモードちゃんねる」というYouTubeチャンネルも開設されました。このチャンネルでは、事故物件に関する謎や怪談をテーマにしたコンテンツが配信される予定です。視聴者は、事故物件の裏側を知る貴重な機会を得ることができるでしょう。
まとめ
事故物件という言葉には、多くの人が恐れを抱いていますが、この書籍はその実態を深く掘り下げた内容になっています。読者は、事故物件にまつわるリアルなエピソードを通して、どのようにして事故物件を理解し、向き合っていくべきかを考えるきっかけを得られるでしょう。興味がある方は、ぜひ『告知事項あり。その事故物件で起きること』を手に取ってみてください。そして、事故物件への恐れが少しでも和らぐことを願っています。