フィリピンでのマイクロファイナンス事業に挑むアルファインターナショナル通信
愛知県犬山市に本社を置くアルファインターナショナルコミュニケーション合同会社(以下、AIC)は、2025年10月1日よりフィリピンにおけるマイクロファイナンス事業を本格的に開始することを発表しました。この事業は、現地の貸金会社であるAlpha International Lending Corp.(AILC)を通じて展開されます。
新たな市場への進出
AICは、2025年1月にフィリピン証券取引委員会(SEC)への登録を完了し、現地チームによる一貫した運営体制を整備しました。これにより、既存の銀行では対応が難しい小口融資を個人や小規模事業者への提供が可能となります。
事業の概要
AICのマイクロファイナンス事業は、屋台や小売業、サービス業などの小規模事業者に対して、運転資金や在庫の仕入れ、教育・医療や住環境改善に必要な資金を柔軟に提供します。具体的には、借入額や返済期間を選ける柔軟な条件が設けられ、ペナルティなしでの前倒し返済も可能です。
また、AICは現地の経済や文化に精通したチームを持っているため、迅速かつ適切な融資判定が行えます。迅速な申込みの流れも整え、現地スタッフによる確認を経て、数日内に融資が実行される体制を整えています。
競争力のある利率
現在、AICの貸出ポートフォリオは月平均で約5%の実効金利を実現しており、資本効率の高いユニットエコノミクスを実現しつつ、借り手に優しい条件設計になっています。これにより、地域の小規模事業者への持続可能な融資が可能になります。
AICの独自の強み
AICの強みは以下の4点に集約されます。
1.
現地オペの内製化:自社スタッフによる与信から実地確認、回収、再与信に至るまで、全てを自社で行うことで、迅速な意思決定とリスク管理が可能です。
2.
フィリピン市場への知見:不動産事業や外国人材の紹介などにおいて培った知識をベースに、消費行動や規制情報のスコアリングへの応用が可能です。
3.
学習型運営:テストから学び、迅速に再設計を行うコホート運営を実践し、顧客成果を追求します。
4.
テクノロジーの活用:調達資金を活用し、新しい技術の導入を進め、デジタルと人のハイブリッド運営を実現します。
透明性とリスク管理
リスク管理においては、初回小口融資から顧客の実績に応じて限度額を拡大する段階的与信を実施し、地域や業種の多様化したポートフォリオを持っています。また、資金の使途も透明に管理され、定期的なレポートを提供します。
今後の展望
AICは、マイクロファイナンスを通じてフィリピンの地方経済を活性化し、より多くの人々に金融サービスを提供することを目指しています。対象となるのは、自営業者や家計の生計を支える世帯で、特に教育や医療、住環境の改善を求める家庭への支援が期待されています。
AICは新たな挑戦を通じて、資本や金融サービスのあり方を変革することで、フィリピンでの成長を目指す意欲的な企業です。その取り組みの成果は、今後の地域経済に大きな影響を与えることでしょう。