新たなコンクリート技術
2024-08-07 13:43:04

サブテラヘルツ波で実現する新たなコンクリート評価技術の可能性

新技術が変えるコンクリート評価の常識



近年、建築物の維持管理において、劣化が進行する前に事前に対策を講じる「予防保全」が求められています。その中で、目視技術や打診による従来の調査方法では、劣化が発生する前の情報を得ることが難しいという課題が存在しています。そこで、株式会社コンステック(大阪府大阪市)と芝浦工業大学、東北大学との連携により開発された「サブテラヘルツ波によるコンクリート内部の鉄筋腐食評価技術」が注目されています。

サブテラヘルツ波技術の概要



サブテラヘルツ波は、周波数帯が10GHzから300GHzの電磁波であり、コンクリートのような非極性物質に高い透過性を持ちながら、金属に対しては反射性が高い特徴を持ちます。この特性を生かして、コンクリート内の鉄筋の腐食状態を非破壊・非接触的に評価する技術が開発されたのです。

具体的には、コンクリート表面からサブテラヘルツ波を照射し、コンクリート及び鉄筋からの反射波の強度を計測します。これにより、鉄筋の位置や腐食度を判断することが可能になります。特に、反射強度の変化から鉄筋の腐食度を推定することができ、これが革新技術として期待されています。

研究開発の背景



この技術の背景には、国土交通省の助成を受けたプロジェクトがあり、劣化が顕在化する前に対策を行うための維持保全システムの構築が目指されています。劣化の早期発見による維持管理コストの低減と長寿命化が、住宅や建築物にとって非常に重要なテーマとして浮上しています。

実構造物への適用



今後、実際の構造物におけるデータ収集が鍵となります。可搬型の測定装置を開発し、設定作業や腐食評価のプロセスを軽減することに成功しました。この装置は、ポータブル電源を使用し、測定にかかる時間を短縮しつつ、精度の高い評価を可能にしています。

今後の展望



現在、この技術に関するデータは限られていますが、将来的には実際の建物での試験を重ね、より実用的な技術としての確立を図る予定です。サブテラヘルツ波技術は、コンクリート構造物の維持管理において、革新的な解決策となることでしょう。

研究成果と関連論文



この技術に関して、多くの論文が発表されており、さまざまな視点からの検討が行われています。具体的には、劣化因子や鉄筋の腐食状態に関する非破壊・非接触型推定手法に関する基礎研究が進められており、今後の発展が期待されます。

さらに、開発チームによる研究成果は、各分野でのシンポジウムや学会発表を通じて、広くコミュニティで共有されています。今後も、サブテラヘルツ波を活用したコンクリート評価技術は進化を続け、持続可能な建築物の保全へと寄与することでしょう。


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会社情報

会社名
株式会社コンステック
住所
大阪府大阪市中央区北浜東4-33北浜ネクスビル27階
電話番号
06-4791-3100

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