マレーシアの省エネ化を加速する日本のヒートポンプ技術
マレーシアの産業に革新の風を吹き込む日本のヒートポンプ技術
株式会社三菱総合研究所(MRI)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による重要な事業に選ばれました。本事業は、「植物油脂製造プロセスへの冷温ヒートポンプ組み込みによるCO2排出削減JCM方法論開発調査」であり、特にマレーシアを含むASEAN地域での日本の産業用ヒートポンプ(HP)技術の普及を目指しています。
背景
日本国内の温室効果ガス(GHG)の抑制は、国内のみならず国外での取り組みも不可欠です。政府が2025年に提出した「国が決定する貢献(NDC)」では、2040年度までに2013年度比で73%のGHG排出量の削減を目標としています。この中で、二国間クレジット制度(JCM)は、官民連携で大規模な排出削減を達成するための重要な手段とされています。日本は現在、31か国とJCMに合意していますが、特に進出が進んでいるマレーシアにおいては、更なる協力が必要です。
概要と取り組み
MRIは今回のプロジェクトにおいて、炭素クレジット方法論に精通した研究員と共に、企業がJCMを活用しやすくなるよう支援を行います。特に、クラフトワーク株式会社および日清オイリオグループ株式会社との協力により、具体的な取り組みを進めています。これにより、ASEAN市場への日本の省エネ技術を広めることを目指しています。
クラフトワークによる独自のサーマルインバータ制御技術は、廃熱回収を行いつつ、強力なHP普及ビジネスを展開する基盤となります。一方、日清オイリオはその子会社であるIntercontinental Specialty Fats Sdn Bhd.(ISF)でHP技術を導入し、プロセスの脱炭素化を進めます。
技術の意義
この取り組みにより、廃熱の有効活用という新たな領域での省エネが実現することが期待されています。具体的には、日本の企業が強みを生かし、ASEAN地域の産業におけるエネルギー効率の向上に寄与するでしょう。
今後の予定
MRIは、炭素クレジット発行に向けた方法論の確立や技術実証を早急に実施します。また、関係機関と協力の上で、JCMへの理解促進活動を展開し、特にマレーシアとの連携を強化していく方針です。マレーシア工科大学や持続可能エネルギー開発庁との共同セミナーを通じて、地域の産業界に対する適切な理解を深めていく予定です。
日本の技術がASEAN地域でどのように活かされるのか、今後の進展が非常に楽しみです。
会社情報
- 会社名
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株式会社三菱総合研究所
- 住所
- 東京都千代田区永田町2-10-3
- 電話番号
-
03-5157-2111