フィンランド発の宇宙企業ICEYE(アイサイ)は、欧州全域からの幅広い投資参加を得て、General Catalystをリード投資家として新たに資金を調達しました。今回の資金調達額は1億5,000万ユーロ(約20億円)にのぼり、これによりICEYEは各国向けの主権衛星システムやデータインテリジェンスサービスの拡充を図ることができます。
ICEYEのCEO、ラファル・モドジェフスキ氏は、「私たちのSAR技術は、政府機関や各種機関の戦略・戦術の中核的なツールとなっており、高速な結果提供が要される顧客に寄り添った成果を出してきました。この新たな資金調達により、我々の持つ世界最先端のSAR衛星コンステレーションをさらに発展させ、次世代センシング能力の強化といった目標の実現が可能となります。」とコメントしています。
General Catalystの欧州統括マネージングディレクター、ジャンネット・ツー・フュルステンベルク氏もまた、ICEYEを「次代のグローバル・スペース・プライム」と評価し、欧州の安全保障に寄与する重要なステップであると強調しました。
ICEYEは昨年から62基の衛星を打ち上げており、今後も週に1基のペースで新たな衛星を加えていく計画です。この急速な展開により、同盟国への主権的宇宙能力がこれまでになく高い速度で提供されることが期待されます。
同社は、ポーランド軍やポルトガル空軍、オランダ空軍、フィンランド国防軍といった各国の軍との協力関係を築いており、NATOともSARデータの提供に関する契約を結んでいます。これにより、各国は国境監視や情報の強化に対して、より迅速に対応できる体制を整えることが可能となります。
ICEYEは、昼夜を問わず、また天候を気にせずに地上の変化を捉える能力を持つSAR衛星を利用し、客観的なデータをリアルタイムで提供しています。これは防衛、情報、災害対応、保険、海事監視などの分野で急速な意思決定を可能にする重要な技術です。
今後、ICEYEはその商用SAR画像の解像度をさらに向上させ、全世界での重要なデータ提供者としての地位を確立するために、さらなる投資を行っていくでしょう。これにより、各国や地域のレジリエンス(回復力)や持続可能な開発を支えるための意思決定をより一層進化させていくことが目指されています。
ICEYEについては、フィンランドを本拠地とし、世界各国に拠点を持ち、900人以上の従業員が協力している企業です。国際的なデータ供給者として、様々な分野でのインテリジェンス提供を通じて、地域社会の発展に寄与することを目指しています。