2026年版 富裕層の資産運用実態調査
合同会社LIS(東京都港区)が運営する資産運用メディア「AFFLUENT THEORY」は、純金融資産1億円以上を保有する富裕層を対象にした調査を実施しました。その結果、富裕層の資産運用実態や特に強い「保全志向」が明らかになりました。
調査の背景と目的
近年の株式市場の上昇や円安の進展により、富裕層および超富裕層が増え続けています。野村総合研究所の推計によれば、2023年の時点で富裕層は165.3万世帯に達し、過去2年間で11.3%の増加を見せています。資産の規模が拡大する中で、資産配分や資金調達の選択肢も多様化しており、これに伴い、暗号資産や証券担保ローンなど新しい運用手法の認知度や実態を調査することが本調査の目的です。
調査概要
本調査は、2026年6月22日から23日の間にオンラインアンケートを通じて実施され、250名の富裕層からデータを収集しました。調査対象は20歳以上の男女で、サンプル数は250名としました。
調査結果の概要
調査の結果、現預金比率が50%以上の層は全体の36.8%を占め、特に4人に1人は現預金が80%以上という結果となりました。一方で、暗号資産を保有している割合は21.6%であり、年齢別に見ると20代では40.0%と高い数値を示す一方、60代以上では6.6%にとどまることが分かりました。これにより、世代間での資産運用スタイルの違いが明らかになりました。
資産配分の実態
富裕層の資産配分においては、現預金と国内株式の保有率が高く、特に現預金を保有する層は98.0%、国内株式は85.6%に達しました。一方、海外不動産やオルタナティブ投資の保有比率は低く、それぞれ26.0%と30.0%にとどまっています。
保全志向の重要性
現預金比率が高い背景には、資産を減らさないことを重視する「保全」が関係しています。この点に関しては34.0%の富裕層が運用において最も重要な要素としています。また、暗号資産や有価証券を担保にした融資手法に対しても関心が大きいことが示され、利用経験者は18.8%、知っているが未利用の層が33.2%と二分されることが見えてきました。
暗号資産の保有状況
暗号資産について、現時点で保有している層は21.6%にとどまり、年齢層による違いが如実に表れています。特に20代と30代の間での保有率はそれぞれ40.0%と51.6%であるのに対し、60代以上では6.6%という結果も見られました。
相談相手とその満足度
資産運用の相談先については、銀行や証券会社が主なアドバイザーである一方、約31.2%は自分だけで判断しているとの結果が出ました。専門家や資産管理会社との接点が薄い層が存在することが分かりました。提案内容の満足度を尋ねたところ、「あてはまるものはない」が24.0%を占め、不満よりも無関心が目立ちました。
未来の資産運用意向
今後1~3年で増やしたい資産クラスについて、49.2%が国内株式、36.4%が海外株式を挙げており、今後も株式への積極姿勢が続く見通しです。このことは、富裕層の資産運用が必ずしも積極的な運用を目指していないことを示しており、保全を重視した選択肢が求められていることが強調されています。
まとめ
本調査を通じて見えてきたのは、富裕層の資産運用における保全志向の強さと、資産運用の相談先の不足といった課題です。更に、世代間の考え方やアプローチの違いも浮き彫りになりました。これらの情報は、未来の資産運用に関する重要な示唆を提供しています。合同会社LISは、こうした結果を基に資産運用に対する新たなアプローチを提案し、富裕層のニーズに応えていく所存です。