岡山大学は、認知神経科学の分野で注目される成果を上げています。特に、学術研究院ヘルスシステム統合科学学域の楊家家教授が、2024年度にAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の「令和6年脳神経科学統合プログラム(個別重点研究課題)」に採択されたことが大きな話題となっています。
楊教授は、本プログラムの領域2である「ヒト高次脳機能のダイナミクス解明」において、申請したテーマが評価され、3年間にわたって研究開発の代表を務めることが決まりました。具体的な研究課題は、「神経生理学とレイヤーfMRI技術の融合による超階層な脳機能ダイナミクス計測法の開発」です。この研究は、脳機能を広範囲かつ精密に計測する新たな手法の確立を目指しています。
楊教授は、「脳は多段階の階層構造を持つ複雑な情報処理システムであり、各階層における神経回路の破綻が神経疾患に至ることが知られています。したがって、私たちの研究では、これらの神経疾患、とりわけ筋萎縮性側索硬化症やパーキンソン病の病態解明に貢献できると期待しています」と語っています。
岡山大学は、このような研究活動を積極的に支援しており、全国でも特に力を入れているヘルスケア分野の研究にも力を入れています。加えて、文部科学省の「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択されたことにより、大学全体での戦略的なアプローチが進行中です。
さらに、楊教授は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「創発的研究支援事業」にも採択されており、若手研究者の中でも特に顕著な存在として注目されています。このような重要な研究課題を通じて、岡山大学は地域の学術界におけるリーダーとしての地位をより強化していくことでしょう。
楊教授が率いる研究チームは、さらに先端的な技術を駆使し、社会的な課題解決に寄与することを目指しています。脳神経疾患の理解が深まることにより、医療の現場での応用に向けた期待も高まります。
岡山大学は、2024年9月3日にこの採択を公表し、多くのメディアでも取り上げられました。今後の研究成果に注目が集まる中、地域や国際社会への貢献がさらに大きくなることが期待されています。