港を舞台にした絵本授業が児童たちの世界観を広げる
2025年3月5日、広島市宇品小学校にてユニークな出張授業が行われました。この授業は、文響社が出版した絵本『ジャン=ピエール 7つの海をゆく』を使い、作者のキリーロバ・ナージャ氏とコンテナ海運会社Ocean Network Express(ONE)が共同で実施しました。授業は、港が近くにあるこの小学校で、コンテナというテーマを通じて世界とのつながりを学ぶことを目指しました。
絵本の世界『ジャン=ピエール 7つの海をゆく』
『ジャン=ピエール 7つの海をゆく』は、マダガスカル出身のカカオ豆、ジャン=ピエールがフランスを目指す物語です。彼は様々なコンテナ船を乗り継ぎながら、世界を旅しつつ、私たちが日常的に使っている食料品や日用品が世界中のコンテナ船によって運ばれていることを学びます。この絵本は、2025年2月6日にリリースされた新作で、子供たちが楽しみながらグローバルな視点を身につける手助けをしています。
授業の流れと児童たちの反応
授業は三つのパートに分かれて行われました。まず最初にナージャ氏が絵本を朗読し、物語の中でコンテナの重要性を伝えました。
次に、事前に行われた「遠くから来たもの」の調査結果が発表され、対象となったのは宇品小学校の6年生。各チームが、学校内で一番遠くから運ばれてきたと思う物品を探し、その理由とともに写真を提出しました。その中から上位3チームが選ばれ、舞台裏を交えながらの発表が行われ、子供たちは嬉しさを隠せず歓声を上げました。
最後に、Ocean Network Expressの広報チーム小堺祐樹氏が、コンテナの発明やその役割についての講義を行い、クイズ形式の質問で児童たちの興味を引きつけました。授業を受けた子供たちは、コンテナを通じた国際交流や、貿易についての理解を深めると共に、自分たちが海外の物を使用していることに驚きの声を上げました。このように、楽しく学べる体験が多くの気づきをもたらしました。
教師向けの特別講座も開かれる
授業の後には、教師向けにコンテナとグローバルについての特別講座も開催されました。これは、広島市の産学連携を推進するedu-plugの永島恵美氏がプロデュースし、小学校の教師たちに今後の授業に役立つ情報を提供しました。このプロジェクトの目的は、教師が自信を持ってグローバルな視点を持たせる授業を進められるように支援することです。
今後の展望
このような授業は今後も全国の港町の小学校を中心に展開していく予定です。コンテナという身近なテーマを通じて子供たちに国際的な視野を育てる素敵な取り組みです。Ocean Network Expressが提供する「コンテナワールド」のサイトは、絵本の内容をさらに深く理解するための素晴らしいツールとなるでしょう。
この出張授業を通じて、未来の世代が世界とどうつながっているかを意識し、多文化共生への理解が深まることを願います。