コロナ禍から生まれた新たな『やきいも棒』が阪急百貨店で大人気

コロナ禍から生まれた新しい和菓子『やきいも棒』

新型コロナウイルスの影響で私たちの生活は大きく変わりました。特にステイホーム中は、多くの人々が家庭で過ごす時間が増え、間食需要も高まりました。このような状況下で、徳島県に位置する老舗和菓子店・栗尾商店が新商品『やきいも棒』を開発し、阪急百貨店で2021年2月から販売を開始しました。

商品誕生の背景

栗尾商店は創業から92年を迎え、地元の素材を生かした和菓子作りに力を入れてきました。しかし、コロナ禍においては直接店舗での売上が急減。新しい商品を開発する余裕もなかったといいます。そんな状況で突き動かされたのが、コロナの影響で家にいることが多くなった人々が「美味しくて、量があり、お得感のあるもの」を求めているという実情でした。

同店の二代目が手掛けた過去の商品「鳴門金時いも百」は、平成8年度に全国さつまいも食品コンクールで金賞を受賞しましたが、売上不振から製造中止に追い込まれていました。この商品は、味が絶品ながらも量が少なく、おまけにお得感が薄いことが敗因だったのです。そこで、栗尾商店はこの商品をリメイクすることを決意しました。

リメイクのプロセス

『やきいも棒』の開発にあたっては、「鳴門金時いも百」の様々な要素を見直しました。まず、商品サイズを小さくして食べやすくし、あわせて量も増加。パッケージデザインも変更し、これまでよりも持ち運びやすくしました。また、価格を600円に設定し、新たなネーミング『やきいも棒』に変更しました。

この商品は、阪急百貨店でトライアル販売を開始したところ、コロナ禍にもかかわらずスムーズに売上を伸ばし、2021年1月には「今月のお菓子」にも選ばれるなど、その人気が広がりました。多くの人々が求める「美味しさ」、「満足感」、「お得感」がバランスよく組み合わされたことで、消費者に受け入れられたのです。

商品の特長

『やきいも棒』は、本練り仕上げの鳴門金時を100％使用した芋あんを、丁寧に焼き上げたスティック状のお菓子です。手軽に食べられる形状ながらも、素材の良さが感じられ、ひと口頬張るとその味わいに驚くことでしょう。価格は648円（税込）と、コストパフォーマンスも優れています。

栗尾商店は、これからも「自然のものを自然のままに」を基本理念に、素材の魅力を引き出した商品作りを続けていく方針です。これにより、消費者に自然の恵みを届けることができると考えています。