2025年7月、早稲田大学とテムザック、村田製作所、SREホールディングスの協力により、新たな団体「KyoHA(京都ヒューマノイドアソシエーション)」が設立されます。この革新的な取り組みは、日本のヒューマノイドロボット産業の再興を目指しており、純国産のロボット開発を推進することで日本の競争力を向上させていくものです。
設立の背景
近年、アメリカのテクノロジー企業や中国のIT、EV、ロボット企業がヒューマノイドロボットの開発に急速に取り組んでいます。日本はかつてのロボット技術の先進国としての地位を再確立しなければなりません。
加えて自然災害や労働力不足といった社会問題が深刻化する中、ロボティクス技術への期待は高まっています。特に、ヒューマノイドロボットは、人間に近い動作性能を持ち、過酷な環境でも活躍できるため、次世代の機械システムとして注目されています。
しかしながら、AIやソフトウェアの進展と比べて、ハードウェアの国産開発体制や産業としての統合的取り組みは整っていない現状です。この課題を克服するため、モノづくりのメッカである京都で「KyoHA」が立ち上げられることとなりました。
活動の目的と内容
KyoHAは以下の5つの主要な柱を中心に活動を展開していきます。
1.
ハードウェア開発の国産連携体制構築
日本が誇る技術を結集し、ヒューマノイドロボットのハードウェア開発に特化した産学連携ネットワークを築いていきます。
2.
レスキューロボットの開発
過酷な環境で人命救助や災害対応ができるヒューマノイドロボットの開発を進め、社会問題の解決に寄与します。
3.
京都を中心としたサプライチェーン構築
持続可能な国産サプライチェーンを整備し、京都から新たな産業基盤を確立します。
4.
産業競争力の強化
ヒューマノイドロボットの普及が多様な業種と連携し、日本全体の産業競争力を向上させます。
5.
AIとの連携による価値最大化
ハードウェアと連携することで、より柔軟で賢いヒューマノイドの実現を目指します。
今後の展開
KyoHAは2025年中に一般社団法人を設立し、2026年度内には初の具体的な開発計画を公表する予定です。現在、早稲田大学、テムザック、村田製作所、SREホールディングスの各社が設立メンバーとして参画しており、他にも多数の企業・団体との連携が進行中です。
理事紹介
設立時の理事は、各メーカーの代表者とテクノロジー分野の専門家で構成され、共同の目標に向けて取り組む計画です。
- - 理事長には早稲田大学の教授でヒューマノイド研究の第一人者が就任し、テムザックや村田製作所からはそれぞれの専門家が理事に名を連ねます。
企業の役割
- - テムザックは、人と共存できるロボットの開発に注力し、様々な分野での実用化を目指しています。
- - 村田製作所は、電子デバイスの開発を通じて、社会的課題の解決に寄与する技術の進展を図っています。
- - SREホールディングスは、AIテクノロジーを通じて新しいソリューションを提供し、社会の課題解決に貢献しています。
この新たな取り組みを通して、日本の技術力を結集し、未来のヒューマノイドロボットの形を共に創り上げていくことが期待されています。