廃棄物から航空燃料を!東京都がSAF製造事業に2社を採択

東京都は、一般廃棄物から発酵技術などを用いた持続可能な航空燃料(SAF)の製造に向けて、FS調査を行う事業提案を2件採択しました。

採択されたのは、積水化学工業株式会社と日立造船株式会社の2社です。

積水化学工業株式会社は、廃棄物由来の合成ガスから微生物のガス発酵によりエタノールを生成し、さらにATJ技術を用いてSAFを製造する計画です。一方、日立造船株式会社は、廃棄物から糖化発酵によりエタノールを生成し、ATJ技術を用いてSAFを製造する計画です。

ATJ技術は、アルコール(エタノール)を原料にSAFを製造する方法で、既にSAFの国際規格である「ASTM D7566 Annex5」として認証されています。

東京都は、採択された事業者と協定を締結し、東京二十三区清掃一部事務組合と共に、事業者の調査に協力していきます。事業実施期間は協定締結の日から令和7年3月31日までで、事業費の2分の1について、1事業当たり上限2,500万円として負担金を支出します。

この事業は、「『未来の東京』戦略」を推進する事業の一つであり、戦略14の「ゼロエミッション東京戦略」の「持続可能な循環利用推進プロジェクト」に位置付けられています。
東京都が採択した2社の事業は、廃棄物を有効活用することで、地球温暖化対策に貢献するだけでなく、新たな産業の創出にもつながる可能性を秘めています。

今後、事業者によるFS調査が進められ、具体的な製造プランが明らかになっていく予定です。東京都は、事業者と連携し、技術開発や実証試験を支援することで、廃棄物からSAFを製造する技術の実用化を加速させていく予定です。

この事業は、東京都が目指す「ゼロエミッション東京」の実現に向けた重要な取り組みの一つです。廃棄物から生まれたSAFが、将来的には航空機の燃料として利用されるようになれば、東京都の環境負荷を大幅に削減できると期待されています。

また、この事業は、国内におけるSAF製造技術の開発を促進し、日本の航空業界の持続可能性を高める役割も担っています。今後、国内外の企業や研究機関との連携を強化し、廃棄物からSAFを製造する技術のさらなる発展を目指していくことが重要です。

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