旅行計画におけるAIの活用とその影響
宿泊施設のコンサルティングを行う株式会社宿研が実施した調査により、旅行者の行動が生成AIの提案によってどのように変化しているのかが浮き彫りになりました。この調査では、630人の旅行計画者を対象に、AIを使った際の実際の行動を検証しました。その結果、AIが提案する旅行先や宿泊先が実際の訪問にどれほど繋がっているのかが明らかになっています。
調査の概要
この調査は2026年の1月に行われ、AIとの対話によって旅行計画を立てた630人に、その成果を尋ねました。調査の結果、驚くべきことに54.6%の人がAIが提案した場所に実際に訪れたと回答しました。さらに、30.2%の人は提案された場所を候補に入れたと述べており、合計で84.8%の人がAIの提案を何らかの形で考慮していることがわかります。
このように、AIの提案は単なる参考にとどまらず、旅行計画の意思決定に大きな影響を与えていると言えるでしょう。
新たな選択肢の提供
また、旅先を選ぶ際にAIがなかった場合、38.6%の人が「定番の旅行先や宿泊施設を選んでいただろう」と考えています。これは、生成AIが旅行者の選択肢を広げ、これまで知らなかった地域や施設に対する認知を促進していることを意味します。この現象は、特に地方誘客を目指す自治体や宿泊施設にとって大きなチャンスをもたらすことが期待されます。
宿泊施設の選ばれにくさの要因
一方で、宿泊施設はAIの提案を受けたにもかかわらず、訪問率が低い傾向にあります。調査対象の中で、宿泊先の候補をAIに出してもらった338人のうち、訪問したのは183人で、宿泊先の採用率はわずか47.0%でした。これは、飲食店や観光スポットの提案に比べて約10ポイント低い結果です。
理由として多く挙げられたのは、「クチコミやレビューが少なく、判断が難しい」と「公式サイトの情報が不十分で不安だった」ということです。興味深いのは、AIの提案自体に対する不安はわずか2.2%であり、AIの精度そのものが問題ではないことが明らかになりました。これは、実際の情報環境の整備が宿泊施設の集客に大きく影響していることを示しています。
AI活用の未来と課題
この調査を通じて、AIが旅行者に新たな選択肢を提供する一方で、宿泊施設にとっては情報の透明性や正確性が集客において重要な要素であることが浮き彫りになりました。AIが旅行者を見つける手助けをしても、宿泊先の情報が不足していると訪問には結びつかないのです。
今後、旅行業界における情報環境の整備と、AIを活用した新たな集客戦略がますます重要になるでしょう。本調査は、旅行業界が抱える課題を理解し、解決策を見出すための貴重なデータとなることを目的としています。さらに詳しい調査結果は宿研のオウンドメディアで公開されていますので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。