肺がん治療の新展開
2026-06-26 14:04:41

Merckとギリアド、肺がん治療における新しい治療法の試験中止を発表

Merckとギリアド、肺がん治療における新しい治療法の試験中止を発表



2023年6月8日、ギリアド・サイエンシズ(本社:カリフォルニア州フォスターシティ)とMerck & Co., Inc.(本社:ニュージャージー州ローウェイ)は、転移性非小細胞肺がんの治療に関する重要な発表を行いました。両社は、特定の患者を対象とした第III相の研究であるKEYNOTE-D46/EVOKE-03試験を中止することを決定しました。この試験は、ギリアドのトロデルビ(R)(一般名:サシツズマブ ゴビテカン)とMerckのキイトルーダ(R)(一般名:ペムブロリズマブ)を併用した治療法の有効性を評価するものでした。

試験中止の背景


この決定は、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)の解析結果に基づいています。事前に設定されていた最終解析では、PFSにおいて数値的な改善が見られたものの、統計的な有意性は確認されませんでした。特に、OSの最終解析においても統計的に有意な結果が出る可能性は低いとされました。このような結果を受けて、両社は治験責任医師に通告し、治験に参加する患者には医師と相談するよう呼びかけています。この併用療法における安全性プロファイルは、一貫して安全で、新たな安全性シグナルは確認されていないとのことです。

肺がんの現状と治療の必要性


肺がんは、世界で最も一般的ながんの一つであり、特に非小細胞肺がん(NSCLC)は全肺がんの80%を占めています。2022年には、世界中で約250万人が新たにこの病に罹患したとされています。特に転移性のNSCLC患者は初回診断時に治療の選択肢が限られ、長期生存率も低いため、新たな治療選択肢の開発が急務とされています。これに対して、免疫療法は標準的な一次治療の選択肢となっていますが、全ての患者において効果があるわけではなく、今後の研究が待たれます。

KEYNOTE-D46/EVOKE-03試験の概要


KEYNOTE-D46/EVOKE-03試験は、治療歴のない転移性非小細胞肺がん患者(PD-L1高発現:TPS 50%以上)を対象とした国際共同の無作為化研究です。この試験には、約620名の患者が登録されたとのことです。患者は、トロデルビとキイトルーダの併用療法またはキイトルーダ単剤療法に割り付けられ、双方の治療の有効性を比較しました。主要評価項目は無増悪生存期間と全生存期間であり、副次評価項目には客観的奏効率や奏効期間が含まれています。

トロデルビとキイトルーダの特徴


トロデルビはTROP-2を標的とする新しい抗体薬物複合体であり、乳がんや肺がんにも効果が期待されています。一方、キイトルーダは自らの免疫を高める抗PD-1抗体で、がん細胞を攻撃するのを助ける役割があります。両社は、この研究に参加した患者と医療従事者に感謝の意を表し、引き続き新たな治療法の開発に努めていく意向を示しています。

今後の展望


KEYNOTE-D46/EVOKE-03試験の中止は新たな治療の壁を患者にもたらす可能性がある一方で、両社の他の治験や研究は引き続き継続されるため、希望は失われていません。今後の研究成果が、肺がん治療における進展をもたらすことに期待が寄せられます。これからも、治療における革新が難病の克服へとつながることを願っています。

会社情報

会社名
ギリアド・サイエンシズ
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