鈴与商事株式会社、株式会社ゼロボード、ウイングアーク1st株式会社の3社は、2024年6月26日に温室効果ガス(GHG)排出量のデータ連携に関する基本合意を締結しました。
この合意により、鈴与商事とウイングアーク1stが共同で提供するCO2排出量可視化プラットフォーム「EcoNiPass」と、ゼロボードが提供するGHG排出量算定・可視化ソリューション「Zeroboard」のサービス間で、GHG排出量のデータ連携が可能になります。
従来、業界平均値に基づく排出原単位を用いた排出量の算定が一般的でしたが、今回のデータ連携により、企業固有の排出量データを排出原単位として活用できるようになります。これにより、企業努力によるGHG削減効果を明確化し、サプライチェーン全体でのGHG排出量削減を支援します。
さらに、鈴与商事とゼロボードは、「EcoNiPass」と「Zeroboard」の営業支援に関する業務提携契約を締結し、鈴与商事は顧客企業に対して「Zeroboard」の提案を行います。
「EcoNiPass」は、低価格帯でありながらも、取引先にCO2排出量データを連携するサプライヤー向けのプランも有しているため、大企業だけでなく、脱炭素化への取り組みに予算を割きづらい中小・中堅企業にも導入されています。一方、「Zeroboard」は、国内外にグループ企業やサプライチェーンを持つ製造業を中心に導入されており、Scope 1~3からカーボンフットプリント(CFP)の算定はもちろん、データの精緻化や算定の高度化に取り組む企業に評価されています。
2030年のGHG排出量の削減目標達成や、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、各企業が先進的にGHG排出量の削減に取り組んでいます。しかし、サプライチェーン全体で脱炭素化を推進するためには、一部の企業だけでなく、産業全体での取り組みが重要です。今回の合意によって、両サービス間のGHG排出量のデータ連携を実現することで、排出量の可視化・削減に取り組む企業の裾野を広げ、サプライチェーン全体での脱炭素化を推進していきます。
鈴与商事、ゼロボード、ウイングアーク1stの3社による温室効果ガス排出量データ連携の合意は、企業の脱炭素化に向けた大きな一歩と言えるでしょう。特に、従来の業界平均値ではなく、企業固有の排出量データを用いることで、より精緻な排出量算定が可能となり、企業努力による削減効果を明確に把握できるようになります。これは、企業にとって、より効果的な脱炭素化戦略を策定し、具体的な行動計画を実行する上で重要な要素となるでしょう。
また、サプライチェーン全体での連携も注目すべき点です。単に自社の排出量を削減するだけでなく、取引先を含めたサプライチェーン全体での排出量削減に取り組むことで、より大きな効果が期待できます。この取り組みが、企業間連携による脱炭素化を促進し、持続可能な社会の実現に貢献することを期待しています。
今後、3社がそれぞれの強みを活かし、連携を強化することで、企業の脱炭素化を支援するサービスがさらに進化していくことが期待されます。特に、中小・中堅企業に対して、よりわかりやすく、使いやすいサービスを提供することで、脱炭素化への取り組みを促進していくことが重要となります。
今回の合意は、企業の脱炭素化を促進するだけでなく、社会全体で脱炭素化への意識を高める効果も期待できます。3社の取り組みが、日本全体の脱炭素化に向けた動きを加速させる力となることを期待しています。