TOPPANホールディングスとフェニックスバイオが新たな肝臓モデルの試供へ業務提携を結成

TOPPANホールディングスとフェニックスバイオが業務提携

2025年2月19日、TOPPANホールディングス株式会社と株式会社フェニックスバイオは、最先端の技術を活用した「人工三次元肝臓組織」の供給に向けて業務提携を結びました。この新たな肝臓モデルは、TOPPANが開発した3D細胞培養技術「invivoid(R)」を基にしており、外部機関への供与を通じて医薬品開発の安全性評価に貢献することを目指します。

業務提携の背景と技術の進歩

現在、創薬研究では、薬効や副作用を評価するために、ヒトでの臨床試験前に精度を高めることがクリティカルな課題となっています。従来の二次元培養技術は、生体の自然な応答を十分に再現できておらず、その改善が求められています。TOPPANの「invivoid(R)」は、このニーズに応える技術であり、既存のスフェロイド培養技術と比べても、肝機能において優れたデータが得られています。

肝臓モデルの利点と期待

この新しい肝臓モデルでは、長期にわたって肝機能を高く維持することが確認されており、具体的には、種々の化合物を代謝する酵素の遺伝子発現が高く、またその代謝物を排出する毛細胆管の構造も肝臓に近い特性を持っています。これにより、肝臓に対する毒性評価を高感度かつ安定に行うことが可能とされています。特に、胆汁うっ滞毒性に関連する毒性の評価においては、従来の手法よりも20倍以上の感度を誇ります。

提供内容および試供条件

試供内容として、肝臓モデルと血管肝臓モデルの2種類が用意される予定です。本肝臓モデルは医療や創薬に関連する研究機関専用であり、移植用途には適しません。試供は原則として無償で提供され、内容に応じて相談が可能です。

顧客へのアプローチと両社の意気込み

TOPPANホールディングスとフェニックスバイオは、共に持つ技術や知見を融合させることで、幅広い顧客層にこの新しい肝臓モデルを試供することを計画しています。また、フェニックスバイオは、高品質なヒト肝細胞の提供において業界からの信頼を得ており、生命科学分野での進展に寄与することを目指しています。両社のパートナーシップが、今後の創薬研究の発展にどのように寄与するのか、期待が高まります。