Z世代のInstagram活用の実態
名古屋を拠点とするトガル株式会社が行った調査によれば、Z世代の学生たちは就職活動においてInstagramを「見る就活」として利用している実態が明らかになりました。調査対象は21~23歳の学生101名で、彼らがこのSNSをどのように扱っているかに焦点を当てました。
Instagramが「見る就活」のツールに
調査結果の中で、78.2%の学生が企業の公式アカウントをフォローしていないことがわかりました。学生たちにとって、Instagramは企業の雰囲気や社員の日常を知るための「補助的な情報源」であり、積極的に関与する場ではなく、“参考として見る”だけの存在になっています。
プライバシーと就活の両立を求めるZ世代
なぜ多くの学生が企業アカウントをフォローしないのか、その理由の一つとして「プライベートSNSに就活情報を混在させたくない」という意識があります。41.6%がこの理由を挙げ、日常的に使用するSNSで就活情報に触れることに抵抗感を持っています。これは、彼らがInstagramを私的な空間として捉えていることを反映しています。
就活で見たいコンテンツとは
Z世代がInstagramで求めている内容としては、「社員の働く姿」や「職場の雰囲気」の情報が特に重要視されています。実際、「見たい・参考にしているコンテンツ」として挙がったのは、29.7%が「社員の働く姿・職場環境」、21.8%が「採用・インターン情報」という結果でした。これは、ただの採用情報ではなく、実際の働く環境や雰囲気を知りたいというニーズを示しています。
企業はリアルさと自然さが求められる
Z世代に求められる企業の情報発信は、整えられた採用情報よりも、身近でリアルな社員の姿や日常に重点を置くべきです。投稿のデザインだけでなく、社員の表情や職場の環境が自然に伝わるような内容が求められています。このような発信が、多くの学生との信頼関係構築の鍵となるでしょう。
企業との距離感を縮める工夫が必要
多くの学生が「フォローする価値」を感じていないことから、企業側は「フォローしなければ見られないコンテンツ」を提供する仕掛けを用意することが重要です。ストーリーズでの限定発信やインターン・説明会の裏側、社員インタビュー動画など、「フォローしたくなる」内容の工夫が求められます。
トガル株式会社の代表である小嶋豊氏は、「Z世代は企業の情報を得るためにInstagramを活用しているが、フォローには慎重である」と指摘しています。この調査が示すように、企業はありのままの姿を伝えることで、学生との共感や信頼を築く第一歩を踏み出せるのです。
結論
InstagramはZ世代の学生にとって、就職活動の新たな情報源としての役割を果たしていますが、その活用方法や価値観は従来のSNS利用とは異なります。本調査から得られた知見は、企業のマーケティングや採用戦略においても大いに活かされることでしょう。