旭化成ホームズ・積水ハウス・大和ハウスの連携
2023年、旭化成ホームズ、積水ハウス、大和ハウスの3社が都市緑化プロジェクトで協力し、在来樹種を活用した取り組みを行いました。このプロジェクトは、生物多様性の保全を推進し、2030年のネイチャー・ポジティブの国際目標達成に貢献することを目指しています。この取り組みは、各社がそれぞれの特性を生かした植栽活動を行うことで、集合的な効果を生み出しているのです。
1. 連携の背景
3社は住宅メーカーとして、都市部に多くの住宅や建築物を提供しています。近年、生物多様性が人の健康や住環境に与える影響が注目されており、そのためには都市部の自然環境の再生が必要です。そこで、在来樹種を軸にした都市緑化の重要性を認識し、協働での評価と実証に踏み切りました。
2. 生物多様性の向上
各社は異なる樹種を植えることで、多様な生物環境を作り出し、生物多様性を向上させることに成功しました。3社の植栽データに基づいて分析した結果、年間で約350種、430,000本に上る樹木が植えられ、傾向としては最も多くの種を植えた企業よりも10%ほど多い種数を確認しました。さらに、異なる企業間の樹種の統合データを用いることで、生物多様性の豊かさがさらに実証されたのです。
3. 各社の取り組み
旭化成ホームズは「まちもり」というコンセプトで、多様な高さの樹木を植えることに注力しています。この取り組みは、街並みへの美しさを生み出すだけでなく、地域の多様な生き物たちの生息地を提供することを目的としています。積水ハウスが提唱する「5本の樹」計画では、地域の生態系に配慮した造園を行い、鳥や蝶を引き寄せるための植栽を行っています。大和ハウス工業は「みどりをつなごう!」という合言葉のもと、50%以上の在来種を使用し、地域の生態系ネットワークを強化しています。
4. 期待される成果
今回の取り組みにより、再生された都市緑地は新たな生態系の形成や生物のつながりを促進することが期待されています。具体的には、それぞれの企業が異なる生物多様性の要素を持ち寄り、協同して新しい生態系を構築することを目指しています。また、今後は企業間の連携を広げることで、さらなるネイチャー・ポジティブの実現を図る意向を示しています。
5. 株式会社シンク・ネイチャーとの連携
今回の分析は、株式会社シンク・ネイチャーがサポートしており、専門的な視点からデータ分析が行われています。今回のケーススタディは、他の企業や業界に対しても生物多様性の保全活動やネイチャー・ポジティブの重要性を示す新たなシグナルになることが期待されています。
結論
旭化成ホームズ、積水ハウス、大和ハウスの3社による協働は、都市部における生物多様性の向上と住環境の改善に向けた重要な一歩です。私たちの生活環境において、自然との調和を重んじる姿勢がさらに広まることを願っています。