アイギークが新しいストレージ管理システムを発表
アイギーク株式会社は、東京都目黒区に本社を置く企業で、最近オープンソースのストレージ管理システム「Indelible FS」のベータ版をリリースしました。また、同社は京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)との技術提携も発表し、今後のサービス展開に期待が高まります。
ストレージ技術は情報テクノロジーの中心的な要素であり、現在のストレージ環境には多種多様なハードウェアやソフトウェアが存在します。こうした技術をうまく統合し、効率的なインフラを構築することが求められています。Indelible FSは、従来型のファイルシステムやオブジェクトストレージ、仮想ディスクなどを融合し、新たなストレージ管理の形を提案しています。
このシステムは、分散型でスケーラブルな特性を持ち、特に使いやすさを重視した設計となっています。従来のファイルシステムとは異なり、Indelible FSではバックアップ機能とデータ重複排除機能が基本的に組み込まれているため、追加のソフトウェアを利用する必要がありません。これにより、安全性が飛躍的に向上します。また、自動的にデータを必要な場所にキャッシュできるため、迅速な情報アクセスが可能です。
アイギーク社の社長であるデイビッド・スミス氏は、1970年代の古いファイルシステムが現在でも多く使われている現状に警鐘を鳴らし、新しいシステム管理の必要性を訴えています。「ストレージ管理は、システム管理者が行うのではなく、自動化すべきです。従来の方法では、ディスク障害や容量不足の運用管理が大きな負担となります。」と彼は述べています。
また、Indelible FSは、シングルサーバーからクラウド環境まで対応できる柔軟性を持っており、エンタープライズレベルの安定性を提供します。特にクラウドプロバイダ向けにも設計されており、大容量のデータ(ペタバイト級)の管理が可能です。マルチテナント運用やハイブリッド運用にも対応し、データをローカルシステムやクラウドに効果的に保存することができます。
スミス氏は、「大手のオンラインストレージプロバイダは、信頼性の高いストレージサービスを安価に提供していますが、彼らのプラットフォームを利用するためには、自社のサービスを選ばざるを得ません。Indelible FSを使用することで、クラウドプロバイダやデータセンター運営者は、同等の価格帯でサービスを提供しつつ、収益を上げることができるようになります。」と述べています。
今夏、アイギークはKCCSのデータセンターを通じてIndelible FSを利用したストレージサービスを開始する予定です。KCCSでは、同システムの能力をクラウドソリューション向けに評価する作業も進めています。また、Indelible FSはApache Licenseに基づいてリリースされ、自由に利用・改変ができますが、現段階ではベータ版のため商用利用は推奨されていません。サポートに関しては、アイギークに直接問い合わせる必要があります。
さらにIndelible FSは、株式会社あくしゅの「Wakame-vdc」クラウドコンピューティングフレームワークとの連携も実現しており、この取り組みが注目を集めています。4月25日には、あくしゅが主催するユーザーグループミーティングでIndelible FSのデモが行われる予定です。
Indelible FSモジュールには以下の3つが含まれます。
- - 「Indelible FS」: 主要なストレージシステムで、POSIX準拠のファイルシステムやデータ重複排除機能を持ち、リモートレプリケーションやバージョン管理も提供。
- - 「Indelible Virtual SAN」: 仮想ディスクシステムで、iSCSIターゲットや分散キャッシュ機能をサポート。
- - 「Indelible Web Access」: Indelible FSの制御やデータへのウェブアクセス用のREST APIを提供。この全てのソースコードは、公式ウェブサイトから入手可能です。
詳しくは、
Indelible FS公式サイトをご覧ください。また、アイギークへのサポートやコンサルティングに関する問い合わせは、
[email protected]までお願いします。
アイギーク株式会社について
アイギークは、ストレージソフトウェアおよび関連サービスを提供する企業で、シリコンバレーと東京に拠点があります。2005年にリリースされた「Indelible Desktop Backup」は、世界的に広く利用されています。
株式会社あくしゅについて
あくしゅは、クラウドコンピューティング技術をリードする企業であり、Toshiba・NTTPCと提携し、「Wakame-vdc」を基盤としたサービス展開を行っています。