安藤忠雄の熱意
2019-07-26 13:46:56
安藤忠雄氏が語る建築の熱意と手描き図面の魅力
安藤忠雄氏が語る建築の熱意と手描き図面の魅力
2019年6月8日から9月23日まで、文化庁国立近現代建築資料館で開催されている「安藤忠雄初期建築原図展―個の自立と対話」。その中で行われたギャラリートークは、建築に対する熱い想いを持つ安藤氏の姿を目の当たりにできる貴重な機会となりました。彼は手描きの図面に込めた熱意を語り、聴衆を魅了しました。
満席の会場が物語る熱気
このギャラリートークは、12時30分と14時からの2回開催され、どちらの回も席が埋まりました。安藤氏とともに建築の専門家たちがゲストとして参加し、熱のこもったディスカッションが繰り広げられました。進行役を務めた川向正人氏(東京理科大学名誉教授)は、手描きとコンピューター図面の魅力について焦点を当てました。
手描き図面がもたらす熱意
トークの中で、安藤氏は手描き図面の特徴について説明しました。CADやBIMを用いた現代の図面には、設計者の熱意が伝わりにくい一方で、手描きの図面にはその過程の痕跡が残るため、熱意を感じ取れると語りました。参加者たちは、手描き図面の持つ魅力を再認識しました。
具体的な実例を通じた考察
安田幸一氏(東京工業大学教授)や国広ジョージ氏(国士舘大学教授)は、安藤氏の作品を例に取り、手描き図面の印象やそれがもたらすコミュニケーションの大切さについて議論しました。安藤氏は自身のオフィスではチームで図面を描くことが重要であるとし、コンピューターでの設計作業ではチームの協力とコミュニケーションが不足しがちになることを指摘しました。これに対し、手描きは人と人との対話を生み出すと語ります。
熱意と誠実さを伝える
安藤氏はまた、「設計者の熱意は図面に表れなければならない」とも述べ、図面を通じて施主や施工者とのコミュニケーションが円滑になることが重要であると強調しました。正確さが求められる建築の世界において、手描き図面が生む温かさや人間味は他に代えがたいものです。
学生への期待
このイベントでは、未来の建築家たちへのメッセージも忘れられませんでした。安藤氏は、自身が大学で学ばずに建築を始めた経緯を語り、建築に対する情熱があれば、どんな経験も貴重であると伝えました。彼はスケッチを通じて建築を取り入れ、そこから学ぶ重要性を力説しました。
終わりに
安藤氏の熱意に触れることができたこのギャラリートークは、参加者にとって非常に充実した時間となりました。手描き図面が持つ価値を再認識し、安藤氏の建築に対する考え方が多くの人に影響を与えたことは間違いありません。9月23日まで開催される本展を通じて、安藤氏の建築哲学に触れてみてはいかがでしょうか。
会社情報
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文化庁
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