カセットこんろの使用実態調査:長年の放置が心配される状況
自宅で使用されるカセットこんろが、製造から10年以上経過しているという悲しい現実が明らかになりました。一般社団法人日本ガス石油機器工業会が行った調査によれば、ユーザーの約23%が「10年以上前」に購入したカセットこんろを今も使用していることが分かりました。この状況は特に中高年世代において顕著で、50代や60代以上の約3割が該当しています。
調査概要と結果
この調査は、2020年11月2日より開始される「カセットこんろ・ボンベ安全・安心キャンペーン」に先駆けて実施されました。20歳から70歳までのカセットこんろユーザー1,000名を対象に、使用状況や購入時期についてのインターネット調査が行われました。調査では以下のように、カセットこんろの使用目的についても多様性が見られました。
- - 鍋料理:77%
- - 防災用:35%
- - 焼肉:19%
- - アウトドア:15%
これらの用途からも分かるように、多くの家庭で日常的にカセットこんろは活用されていることが伺えます。しかし、年に数回しか使用しない家庭も多く、使用率は意外と限定的です。調査結果では、年に3~10回使用している家庭が多いことが示されています。
10年以上の使用がもたらすリスク
カセットこんろは、製造から10年以上経過すると、経年劣化によるガス漏れや事故のリスクが高まります。それにも関わらず、多くのユーザーはそのことを把握しておらず、購入からの年数に気を配っていないのが現状です。実際、調査に答えた人の約9割は、「製造から10年以上経過したカセットこんろの危険性」を理解していませんでした。
また、自宅のカセットこんろの製造年を確認したことがあるのはわずか5%に過ぎず、大多数がその確認を行っていない状態でした。
カセットボンベの使用期限も問題
カセットボンベの使用に関しても同様の状況が見受けられます。カセットボンベは製造から約7年が使用期限とされていますが、約9割の人がその事実を知らないという結果が出ています。カセットボンベは特に、製造年を確認せずに使用しているユーザーが76%に達しています。
捨てる際にも注意が必要で、中身が残っている場合は必ず振って確認する必要があります。これを知らないユーザーも多く、ガスが残ったまま廃棄されることで危険が発生する可能性があります。
重要な啓発活動の必要性
こうしたデータから考えると、カセットこんろおよびカセットボンベの適切な取り扱いや買い替えの重要性は言うまでもありません。日本ガス石油機器工業会では、「カセットこんろ・ボンベ安全・安心キャンペーン」を通じて、古いカセットこんろの交換を促す活動に力を入れています。
このキャンペーンでは、製造年が10年以上経過したカセットこんろを持つユーザーが対象で、抽選で新品のカセットこんろがもらえるチャンスがあります。また、Twitterを通じた参加が可能で、キャンペーンの詳細については特設ページで確認できます。
まとめ
現代の家庭において便利な道具であるカセットこんろですが、その安全性についての意識はまだまだ足りないという印象を受けます。特に製造年の確認や買い替え基準、ボンベの使用期限についてしっかりと学び、適切に扱うことが必要です。安全な生活のために、さあ、今一度、自宅のカセットこんろとカセットボンベの状態をチェックしてみましょう。