全国児童館が取り組む「じどうかんもあるよ」自殺予防週間のメッセージ

「じどうかんもあるよ」キャンペーンの概要

9月10日から16日は「自殺予防週間」として位置づけられ、この期間を通じて、全国の児童館が「じどうかんもあるよ」というメッセージを発信します。この取り組みは、一般財団法人児童健全育成推進財団が主導しており、特に学校や家庭だけではなく、児童館という多様な居場所を通じて、こどもたちの声に耳を傾けようとするものです。

このメッセージは、困難を抱えるこどもたちへの強いサポートの象徴でもあります。児童館は、安心して過ごすことができる場所であり、専門職員が親身になって相談に乗ってくれます。「じどうかんもあるよ」というメッセージは、児童館職員のこどもたちへの思いやりが込められています。

社会全体での取り組み

政府は、孤独や孤立に対処するための施策を強化しています。令和7年5月に改定された「孤独・孤立対策に関する施策」に基づき、地域における支援活動が進められています。これには、こどもたちが心の悩みを持つ時、地域で受け入れられる場所を提供することが含まれます。この取り組みは、学校や家庭以外の場が必要であるという認識から生まれています。

さらに、こども家庭庁では「こどもまんなか社会」の実現を目指し、こどもたちの視点に立った居場所作りを進めています。これは、こどもたちが気軽に相談できる環境を整えることを重視しています。

自殺の現状と課題

最近のデータによれば、2024年に自殺した小中高生は529人であり、これは1980年以降の統計の中で最も多く、特に女子中高生における増加傾向が懸念されています。自殺の背景には学業の悩みや家庭問題が関与しており、特に学校の長期休業明けに自殺者数が増える傾向があるとされています。

このような状況を受けて、「じどうかんもあるよ」キャンペーンは、困難を抱えるこどもたちに有効なサポートを提供することを目指しています。

具体的な活動内容

この取り組みの一環として、児童館では様々な広報活動が行われます。ポスター掲示やチラシの配布、児童館のお便りに掲載することなどが含まれます。また、全国的に募集されているメッセージカードを利用し、地域のこどもたちに向けてもメッセージが届けられます。

各地域の児童館でも独自のメッセージを発信し、地域の状況に応じた支援を行います。例えば、「必ず力になる」「LINEで相談して」など、具体的なアプローチが自ら不安を抱えるこどもたちの心に寄り添います。さらに、来館のきっかけを作るためのイベントやウェルカムデーを設け、児童館を利用したことがないこどもの訪問を促します。

利用シーンの発信や、自習スペースやスポーツ活動の提供などもあり、より多くのこどもたちが自由に利用できる環境が整えられています。また、専門職員による相談窓口も設けられ、こどもたちは気軽に相談できる環境が整っています。

各地の事例

具体的には、東京都北区では中・高校生専用のホームページが作成され、特定の時間帯にはティーンズカフェがオープンし、リラックスした環境での相談が期待されています。さらに、徳島県吉野川市の鴨島児童館では、地域の学生やボランティアと連携し、日常的にイベントを実施しています。

福岡市立中央児童会館あいくるでは、自分に合った児童館の楽しみ方を見つけるための診断が行われ、人気のクラブ活動や卓球、自由な時間を楽しむことができる場所であることが広く伝えられております。