FPTジャパンとヤマト運輸、ベトナム人ドライバー採用に合意
2025年11月12日、FPTジャパンホールディングス株式会社とヤマト運輸株式会社は、特定技能制度を利用したベトナム人大型トラックドライバーの採用・育成に関する基本合意書を締結することを発表しました。この提携は、持続可能な物流システムの確立を目指す重要なステップとして注目を集めています。
背景と重要性
FPTグループとヤマトグループは2014年から協業を行っており、特にベトナム市場での新ビジネス創出や、安定したIT人材の供給に力を注いできました。日本では大型トラック運転手の平均年齢が50.9歳に達しており、今後の労働力確保が急務です。一方で、ベトナムでは海外就労希望者が増加しており、優秀な若者が国際的に流動化しています。このような背景から、両社は協力し、外国人ドライバーの教育と定着を図ることにしました。
具体的な育成プログラム
FPTグループはベトナムに教育機関を持っており、特別クラスを設立して、ヤマト運輸の大型トラックドライバーの育成を行います。このプラットフォームでは、以下の流れでドライバーを育成することが計画されています:
新たに設立される特別クラスで、日本語能力(N4レベル)や日本文化基礎、ヤマト運輸監修の安全学習を提供。
その後、自動車運送業分野での特定技能評価試験を受験します。
留学生としてFPTの日本語学校に入学し、日本語(N3レベル)と日本文化(応用)、さらに安全学習を受講。その後、日本の運転免許証を取得します。
ヤマト運輸に入社し、運転技術の向上支援を受けつつ、安心して働ける環境が整えられる予定です。毎年100名のドライバーを採用する計画も立てています。
関係者のコメント
ヤマトホールディングスの社長・長尾裕氏は、ベトナムの若者の学びと成長への熱意に感銘を受け、今回の提携はその精神を体現するものであると語っています。働きやすい環境を整備することで「日本で働いて良かった」と感じてもらえるよう尽力すると述べました。また、FPTコーポレーションの創業者・チュオン・ザー・ビン氏も、物流は経済の生命線であり、最新技術と専門人材が不可欠と強調し、人材育成の新たな挑戦に期待を寄せています。
持続可能な物流へ向けた取り組み
これらの取り組みは、日本とベトナム間の国際的な協力を強化するだけでなく、多文化共生社会の構築にも貢献するとともに、持続可能な物流の実現に寄与することでしょう。日本の物流業界が抱える問題を解決するため、両社の連携が果たす役割は非常に大きいと言えます。この新たな試みが成功を収めることを期待しています。