ハローズと伊藤忠商事が連携し物流効率化を目指す新実証実験
株式会社シノプス、伊藤忠商事、ハローズの三者は、経済産業省の「持続可能な物流を支える物流効率化実証事業」として実証実験を行い、物流の効率化を図りました。この実証実験では、シノプスと伊藤忠商事が開発した食品バリューチェーン最適化プラットフォーム「DeCM-PF」を活用し、ハローズの需要予測に基づいたメーカーへの発注を実施しました。
背景
現在、食品物流業界は様々な課題に直面しています。中でも、労働力不足が深刻であり、トラックドライバーの不足は特に目立ちます。また、EC市場の急成長や消費者の多様なニーズによる需要の増加も、物流現場を厳しい状況に追い込んでいます。さらに、働き方改革に伴う労働時間の制約や「2024年問題」、「2026年問題」といった新たな法律により、運送業者や荷主は新しい対応が求められています。
ハローズは中四国・近畿エリアで展開するスーパーマーケットで、2015年から需要予測型自動発注サービス「sinops-R」を採用しており、現在約85%の取扱商品に利用されています。その運用を通じて得た経験を元に、2023年から「DeCM-PF」を導入し、物流の改善に取り組んでいます。
実証実験の概要
実証実験の期間は2025年11月14日から11月30日まで。参加したのはハローズ、伊藤忠商事、シノプス、卸売業の外林、大手菓子メーカーです。主な取り組みとしては、まずハローズの店舗の需要予測や特売計画に基づき、メーカーへの合理的な発注量を算出するシステムを導入しました。また、納品曜日を削減し、配送車両の利用を最適化することで、効率性を増しました。
成果
実証実験では、以下の成果が得られました。
1.
配送効率の向上
- トラック台数の削減:27台から21台へ(22%減)
- 積載率の向上:55%から79%への改善(24%向上)
- 荷待ち・荷役時間の短縮:19%削減
2.
労働生産性の改善
- SKUあたりの労働時間の削減:約10%削減
3.
小売店舗の最適化
- 店舗欠品率:約41%改善
- センター在庫日数の削減:約0.17日
- 自動発注の採用率:19%向上
これによって、物流効率の向上と同時に販売機会損失の防止も達成しました。
参画企業のコメント
ハローズ
「今回の実証実験は、売場全体の需要を考慮し、自動発注が行われました。実験の結果、物流センター内の効率も向上し、今後はこの取り組みを他の卸やメーカーにも広げていきたいです。」とハローズの橋元克浩執行役員は述べています。
外林
「今回ご提案いただいた需要予測に基づく発注勧告は非常に有用で、安定した運用が実現できました。」と外林の担当者は語ります。
今後の展望
この実証実験を通じて得た知見を活かし、他の小売業への展開を目指します。また、需要予測に基づいたセンターでの人員配置の最適化や納品予約の機能も検討することで、より効率的な物流を追求していきます。
会社情報
シノプスは「世界中の無駄を10%削減する」を掲げ、需要予測型自動発注システム「sinops」の開発を行っています。数多くの食品小売業者に導入され、資源の最適化を通じた社会貢献を目指しています。証券コードは4428です。
まとめ
ハローズ、伊藤忠商事、シノプスの三者による新たな実証実験は、物流効率化の未来を見越した取り組みであり、成功裏に成果を上げています。今後もこのモデルを広げ、食品流通の新たな標準を築くことが期待されます。