冬における睡眠の質向上を目指すGハウスの共同研究
株式会社Gハウスは、国立大学法人山形大学と共同で行った「冬場の安定した熱環境での睡眠効率に関する基礎調査」の研究論文を発表しました。この論文は、2025年11月に奈良女子大学で開催される「第49回人間-生活環境系シンポジウム」で紹介される予定です。
研究の背景
近年、住宅性能の向上が進んでいますが、高気密・高断熱が居住者の生活の質にどの程度寄与しているのか、科学的データが不足していました。特に、睡眠という人間の基盤となる要素と、高気密・高断熱住宅で保持される安定した温度・湿度の関連を実証することは難しい課題でした。Gハウスは「ぐっすりコンソーシアム」との協力を得て、健康的な住環境の実証データを収集し、睡眠の質に関する研究を進めました。
研究の目的と方法
本研究の主な目的は、冬季における高気密・高断熱モデルハウスと一般住宅の寝室の熱環境を比較し、睡眠の質に与える影響を評価することです。対象とした6人の健康な成人男性は、モデルハウスと自宅でそれぞれ3晩連続で睡眠を計測。測定の結果から、各寝室の室温、湿度、二酸化炭素濃度、照度などの影響を評価しました。
環境要因の比較
研究結果によると、モデルハウスの夜間平均室温は高く、22.3℃から23.7℃で安定していることが確認されました。この安定性により、居住者の睡眠環境が改善され、より質の高い睡眠が実現したと考えられます。一方、自宅寝室では室温の変動が大きく、約1日を通じての温度変化がみられました。
睡眠の質評価
この温度環境下での睡眠の質を評価したところ、以下の結果が得られました:
1.
睡眠効率の向上:多くの被験者が、モデルハウスで高い睡眠効率を報告しました。特に、室温が25℃付近で最高の睡眠効率が得られる傾向が見られました。
2.
主観的睡眠感の改善:主観的評価であるOSA-MAでは、ほとんど全ての因子でモデルハウスが高い得点を示し、寝つきや疲労回復が改善されていることが示唆されました。
3.
低湿環境について:モデルハウスは湿度が低い条件ながらも、睡眠効率や主観的睡眠感に悪影響は認められず、むしろ温度の安定性の方が快適性に大きな影響を与えることが確認されました。
研究の意義と今後の展望
この研究の成果は、Gハウスが提案する高性能住宅が生活の質に貢献する可能性を示す重要な証拠です。さらに、今後は被験者数を増やし、研究の精度を高めていく方針です。Gハウスは「人生を変える家」というスローガンを掲げ、科学的根拠に基づいた健康的な住環境をより多くの人々に提供することを目指しています。
まとめ
冬の眠りをサポートするために、Gハウスが行ったこの研究は、高気密・高断熱住宅の利点を新たな視点から浮き彫りにする重要な試みです。快適な住環境が私たちの生活の質を向上させることを、Gハウスは引き続き追求していきます。