新たな結婚式の形を求めて
近年、結婚式のスタイルは多様化しており、特にアウトドアウェディングに対する関心が高まっています。その中でも、軽井沢に本社を置く株式会社KAIONが手がける「RUSTIC WEDDING」は、自然と人の調和をテーマにした新しい結婚式の形を提案しています。
## RUSTIC WEDDINGの始まり
KAIONは、これまで10年以上にわたり軽井沢でアウトドアウェディングを展開してきましたが、最新の取り組みとして「RUSTIC WEDDING」を買収し、再始動しました。この新たな試みは、スキー場やワイナリー、蒸留所など未活用のスペースを披露宴の舞台に変えるという大胆な挑戦に基づいています。
「心の踊り場を創る」という理念のもと、RUSTIC WEDDINGは、自然の持つ本質的な美しさと五感を通じて感動を与えることを目指しています。式場では再現できない「風」「光」「音」「香り」を感じながら、まるで生命の舞踏会のような結婚式を創り上げるのです。
## 新たなアウトドアウェディングの形
具体的には、KAIONのクリエイティブチームがケータリング、ドリンク、装飾、設営などを内製化し、独自の「RUSTIC FIELD」構想を全国展開します。日本各地に存在する、冬季に稼働しないスキー場や観光以外で使用されていないワイナリー、蒸留所、そして広大な森などの魅力を再活用し、全天候型の移動式ウェディング会場を実現します。この構想によって、結婚式を通じて土地のストーリーを生み出し、新たな地方創生のモデルを実現することが狙いです。
現在、軽井沢や嬬恋、千曲川ワインバレー、北海道、熱海などで大型プロジェクトが進行中です。これにより、地域ごとの特性や文化を生かした結婚式が提供されることになります。
## RUSTIC ALLIANCEの形成
新体制において、RUSTIC WEDDINGは独立系プランナーたちのための「RUSTIC ALLIANCE」という新たなネットワークを形成しました。このネットワークは、プランナーたちが自由に協力しあい、各自のスキルを生かして新しい結婚式のスタイルを生み出すことを目的としています。ドレスショップやカメラマン、フローリストなどさまざまなクリエイターがこの理念に共鳴し、独立したまま共に創造する生態系が形成されていきます。
## 結婚式の新たな価値の創造
RUSTIC WEDDINGでは、結婚式を単なる業務ではなく、共に創り出す芸術として位置づけています。この考え方が、結婚式業界における文化的な改革を生むでしょう。「どのブランドに所属するか」ではなく、「どのような祝祭を生み出すか」が優先されます。
## 新たなケータリングとバー体験
「THE BASE KARUIZAWA」は、RUSTIC WEDDINGの中で特に重要な役割を担っており、飲食体験を通じて新郎新婦や会場との物語を紡いでいます。オリジナルカクテルの提供や、地元産の食材を活かしたケータリングメニューは、自然の恵みを楽しむ体験として注目されています。また、地域に根ざした「テロワール型ケータリング」を採用し、人々に記憶に残る味わいを提供します。
## 持続可能な祝祭の姿
RUSTIC WEDDINGの活動は、単なる経済的な利益追求にとどまらず、環境にも配慮されています。間伐材や地元の植物を使った製品開発を通じて、森林資源の循環と地域環境の保護を行っています。「森を飲む・森で祝う・森に還る」というコンセプトは、持続可能な祝祭文化を実現するためのビジョンです。
## 未来への展望
今後3年間で、RUSTIC WEDDINGは全国100ヶ所に「RUSTIC FIELD」を創出する計画を掲げています。これにより、人と自然が調和し、新しい祝祭文化が日本中に広がることが期待されています。結婚式は単なる儀式ではなく、人生を踊り始める瞬間であるという理念をもとに、新たな時代のウェディングスタイルを創り上げていくことを目指しています。
本質的な対話や信頼は、踊りのような関係性の中から生まれるもの。RUSTIC WEDDINGは、結婚式を通じて人々が共に踊り、心が通い合う場を創ることを目指しているのです。