フィトンチッドの新たな可能性が示される
近年、新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)の影響が広がり、様々な分野での研究が進められています。その中で、樹木が発散する揮発性物質「フィトンチッド」が新型コロナウイルスに対して不活化効果を示すことが確認されました。この素晴らしい成果は、フィトンチッドの新たな役割を示唆するものです。
フィトンチッドとは?
フィトンチッドは、樹木や植物が外敵からの攻撃に対抗するために分泌する揮発性物質です。樹木は動くことができないため、病原菌の感染や害虫の侵入を防ぐために独自の防御手段を持っています。この物質は、抗酸化能力やリラックス効果、さらには空気中のバランスを整える森林浴効果など、様々な効果があることが科学的に証明されています。特に、病原菌やウイルスに対する抗菌・除菌力が注目されています。
研究の背景と実施方法
この研究は、フィトンチッドジャパン株式会社によって行われました。彼らは、「PT-150VR」と呼ばれるフィトンチッド溶液に対して、新型コロナウイルスの不活化効果を検証しました。使用されたウイルス株はSARS-Cov-2で、実験にはVeroE6/TMPRSS2細胞が用いられました。
試験の過程では、フィトンチッド溶液とウイルスの混合物を室温で30分間反応させ、その後にウイルス不活化の測定を行いました。その結果、PT-150VRは99.9%の不活化効果を示し、常用対数で3.0に相当する数値が得られました。この結果は、フィトンチッドの持つ強い抗ウイルス効果を示しており、今後の感染症対策などにおいて大きな期待が寄せられています。
フィトンチッドジャパン株式会社の取り組み
フィトンチッドの研究とその用途開発に力を入れているフィトンチッドジャパン株式会社は、2011年に設立され、京都府相楽郡精華町に本社を置いています。代表取締役の逢坂達也氏のもと、同社はフィトンチッドに関する様々な研究を行い、その効果を広く社会に伝えることを目指しています。
まとめ
フィトンチッドが持つ新型コロナウイルスに対する不活化効果は、今後の感染症対策の一助となる可能性があります。この研究結果は、フィトンチッドの特性がより広く認識されるきっかけとなるでしょう。今後の研究と応用が期待される中で、フィトンチッドが果たす役割に注目が集まっています。フィトンチッドジャパン株式会社への問い合わせは、電話0774-66-5111またはメール
[email protected]にて受け付けています。