宇宙実験への新展開
2025-05-25 21:48:26

宇宙実験の新たな基盤に期待!キンギョのウロコ保存法に成功

宇宙実験の基盤を支える新技術



2025年5月25日、金沢大学、岡山大学、立教大学、文教大学の共同研究グループが発表した成果が、宇宙実験の新たな可能性を切り開くことが期待されています。この研究では、キンギョ(Carassius auratus)のウロコを、次亜塩素酸で滅菌した後、培地交換無しで長期間保存することに成功しました。

研究の背景



宇宙環境での生物学的実験は、地球上の研究とは異なる多くの課題を抱えています。特に、実験に用いる生物の維持や輸送、長期間の保存が大きなテーマであり、この課題をクリアしない限り、宇宙での科学実験は進展しません。そこで注目されたのが、キンギョのウロコの細胞活性をどう保持するかという点でした。

研究の詳細



本研究では、まずキンギョのウロコを0.1%次亜塩素酸で滅菌し、その後4℃の低温で1週間以上保存しても骨芽細胞や破骨細胞の活性が保たれることを証明しました。さらに、予備的な実験により、3週間以上の保存でも細胞活性が維持できることが確認されています。この成果は、宇宙での生物実験に革命をもたらすものであり、特にロケットの打ち上げ射場での生物管理の負担を軽減します。

特に、これまではウロコをパッキングして持ち運ぶ必要がありましたが、今後は日本で保存したウロコをそのまま低温で輸送し、宇宙で活用することが可能になります。これにより、打ち上げの遅延にも柔軟に対応できるようになります。

宇宙実験への応用



この研究は、2024年度からJAXAの宇宙科学研究所による支援を受けており、国際宇宙ステーション(ISS)での実験計画も進行中です。具体的には、キンギョのウロコを用いた宇宙環境下での生物の変化や適応に関する研究が企画されています。

本研究は、2025年4月7日に国際学術誌『Life Sciences in Space Research』に掲載され、広く評価を受けています。この研究成果が示すのは、地球外の環境で実施される生物学的実験の可能性と、そこから得られる新たな知見が、宇宙科学だけでなく、生物学全般に与える影響の大きさです。

まとめ



今回の研究成果は、宇宙実験の基盤技術として重要な進展を遂げたことを示しています。今後、さらなる研究が行われ、宇宙における生物学的実験の幅が広がることが期待されています。この取り組みは、今後の宇宙研究の進展や新たな発見につながる可能性を秘めており、私たちの知識を一層深めるでしょう。


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