フランスの名門シャンパーニュと若きシェフが送る美食の饗宴
2023年9月19日、フランスの高級シャンパーニュ・メゾン「アンリ・ジロー」と、日本の新進気鋭のシェフ、一之瀬愛衣との前例のないコラボレーションが実現しました。この特別なディナーは、シャンパーニュ地方のグラン・クリュ・アイ村に新設されたドメーヌのレセプション・スペースで開催され、両国から約20名の特別ゲストが招かれました。このイベントは、フランスと日本の食文化を一つに融合させる貴重な機会でした。
一之瀬愛衣の革新と情熱
一之瀬愛衣(28歳)は、伝統的な枠組みを超えたガストロノミーを実現する「旅するガストロノミー」SOLUNAの創設者です。彼女は、地元の生産者や文化、料理を掛け合わせることで、限定的な美食体験を提供しています。今回のディナーでは、フランス料理に和のエッセンスを盛り込んだ料理をつくるため、ドメーヌ・アンリ・ジローの料理長エリザベス・クルティエとのコラボレーションが行われました。
二人は「山下農園の野菜をめぐる旅」というテーマのもと、新たな食のシナジーを生み出すために力を合わせました。創造的な料理の数々は、ゲストたちにとって忘れられない夜となりました。
アンリ・ジローの伝統と革新
アンリ・ジローは、1625年に設立されたシャンパーニュ地方の老舗メゾンで、歴史あるジロー=エマール家が運営しています。現在は13代目のエマニュエル・ジローが、最新の技術と伝統の融合を重視し、特にアルゴンヌの森の樫樽を使用した熟成を復活させています。また、彼の指導の下で、キュヴェ「ARGONNE」を展開し、新しい醸造方法として卵型の砂岩容器も取り入れています。
年間生産は35万本ほどですが、その中から選ばれるアイコニックなキュヴェは、世界中の収集家や愛好者に高く評価されています。
山下農園の稀少な野菜
特別ディナーで使用される野菜は、パリ近郊の山下農園から提供されます。この農園は、フランスの三ツ星シェフにも支持される名門で、特に稀少な野菜が育てられています。山下朝史氏によるこの農園の野菜は、魔法や奇跡と称され、美食界の宝石として名高い存在です。近日中にフランス国内に「山下アカデミー」を開設し、日本料理の技術や知識の普及を目指しています。
この記事を通じて、フランスと日本の食文化の深いつながりが新たな形で表現されたことが伝われば幸いです。そして今回のコラボレーションが、今後の美食界において新しい潮流を生み出すきっかけとなることを期待しています。