「政策のための科学」アドバイザリー委員会:人材育成・基盤拠点研究の成果と今後の課題
「政策のための科学」アドバイザリー委員会:人材育成・基盤拠点研究の成果と今後の課題
文部科学省は令和6年6月18日、科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」アドバイザリー委員会(第21回)を開催した。本委員会では、人材育成・基盤拠点研究及び関係機関における第3期中期計画のフォローアップ、共進化実現プログラム第3フェーズについて議論が行われた。
人材育成・基盤拠点研究の成果と課題
SciREXセンター、政策研究大学院大学(GRIPS)、東京大学、一橋大学、大阪大学・京都大学、九州大学、RISTEX、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)といった各拠点における第3期中期計画の進捗状況が報告された。人材育成、研究基盤、共進化、ネットワーキングといった目標は、おおむね達成されているものの、事業終了後を見据えた計画に対する進捗状況については、課題も見られた。
特に、各拠点の代表者や中核的な役割を担う研究者の交代、事業終了後の継続的な活動のための資金確保、地方自治体との連携強化といった課題が、委員から指摘された。
共進化実現プログラム第3フェーズ
共進化実現プログラム第3フェーズは、行政官と研究者の密接な交流を通じて、政策課題の解決を目指したプログラムである。本委員会では、7つのプロジェクトの進捗状況と今後の展望が報告された。
委員からは、行政官側からの積極的な意見表明や問題意識の共有、政策研究とアカデミック研究の差異を意識した進め方、行政官側の引継ぎ体制の強化、プロジェクト成果の行政側における活用状況の把握、行政官のモチベーションを高める仕組みの構築などが提言された。
今後の展望
本委員会では、SciREX事業全体のアウトカム評価、共進化プログラムの成果の行政側における活用状況の把握、行政官間の情報共有の促進など、今後の課題解決に向けた具体的な議論が行われた。
文部科学省は、これらの議論を踏まえ、SciREX事業のフォローアップ調査を実施し、その結果を定期的にアドバイザリー委員会に報告していく方針である。
本委員会は、人材育成・基盤拠点研究の成果と課題、共進化実現プログラムの進捗状況を共有することで、今後の「政策のための科学」推進に向けた重要な議論の場となった。