未来を見据えたバイオコークスの活用実験
近畿大学附属広島高等学校福山校が、新たな挑戦として廃棄予定のばらの剪定枝を活用したバイオリサイクル燃料「ばらのバイオコークス」の実証実験を行います。これは、廃棄物の減少と持続可能な社会の実現を目指す地域の取り組みの一環であり、特に注目されるものです。
バイオコークスとは?
バイオコークスは、稲わらやもみがら、さらには大量に廃棄される食物加工残渣を原料とした固形燃料で、カーボンニュートラルなエネルギーとして注目されています。2005年に近畿大学バイオコークス研究所の井田民男教授によって開発されたこの燃料は、光合成を行う植物資源からの100%再生可能な資源を利用し、CO2排出量ゼロを実現しています。
福山のばら剪定枝の有効活用
福山市では、毎年約100万本のばらが剪定されていますが、その多くは廃棄されています。福山校はこの貴重な地域資源を無駄にしないための手段として、バイオコークスの開発に取り組んでおり、先日の「第58回福山ばら祭り2025」では、この燃料を用いて焼き芋を焼く実験を行い、約3,200人に試食してもらいました。
ミニSLの走行実験
実証実験は、2025年6月27日に広島県のドリームランドせらでミニSL機関車の走行実験を行うことから始まります。この実験では、ばらのバイオコークスを燃料としてミニSLを実際に走らせ、とその動力利用の可能性を探ります。
鍛造実験とフライパン製造
さらに、2025年7月30日には、株式会社三暁と提携し、フライパンの鍛造実験を行います。こちらも、ばらのバイオコークスが鉄を溶かすことができるかどうかを確認し、バイオリサイクル燃料の工業利用の可能性を広げる内容です。
学生たちの学びと地域貢献
これらの実験に参加する学生たちは、地域資源を活用することの重要性を学び、持続可能な社会の実現に向けた意識を育てる貴重な機会を得ています。地域社会の魅力を発信することも大切にしながら、彼らは未来に向けた新たな技術を学ぶことができるでしょう。
最後に
近畿大学附属広島高等学校福山校によるこの先進的な取り組みは、地域の廃棄物を資源として再利用することで、持続可能な社会の実現に向けた一歩となります。これからの進展が期待されるこのプロジェクトにぜひ注目していただきたいと思います。