建設機械の遠隔操縦
2025-11-27 15:30:24

衛星通信と光回線を駆使した建設機械の遠隔操縦実証実験

衛星通信と光回線を駆使した建設機械の遠隔操縦実証実験



建設機械の操縦が、これまでにない新しい技術を用いて遠隔から行える時代が到来しました。株式会社IIJエンジニアリングとハイテクインター株式会社は、国立研究開発法人土木研究所の建設DX実験フィールドにて、衛星通信と光回線による高信頼かつ低遅延なネットワークを活用した遠隔操縦の実証実験を実施しました。これにより、通信インフラが未整備な地域でも安定した建設機械の操縦が可能であることが確認されました。

背景と目的



建設業界では、労働人口の減少が進んでいるため、国土交通省の「i-Construction 2.0」に基づいた省人化の取り組みが注目されています。特に、通信ネットワークを用いた遠隔施工が重要視されていますが、山間部や都市部から離れた場所では通信インフラが整備されていないことも多く、安定した映像伝送が困難であるという課題が存在します。これらの課題を克服するために、IIJエンジニアリングとハイテクインターは、低価格で利用可能なネットワークを用いた実証実験を行い、信頼性の高い映像伝送環境を構築しました。

実証実験の概要



実証実験は、建設DX実験フィールドで行われました。4台のハイビジョンカメラで得られた映像は、「LVRC-4000」という高圧縮ビデオエンコーダーを使用して圧縮され、メッシュWi-Fiや2台の「Starlink Mini」、さらには2種類のフレッツ光回線を通じて、IIJエンジニアリングの本社オフィスに送信されました。実験にあたっては、オフィス側から建機の操作データも送信され、様々な通信状況でも安定した映像の伝送が可能であることが確認されました。

技術要素


1. 信頼性の高いネットワーク



この実証では、安定した映像伝送を支えるためのネットワークが重要です。IIJエンジニアリングは、衛星通信「Starlink Mini」及び2種類の光回線を用いて、冗長化されたネットワークを構成しました。これにより、常に安定した映像伝送が実現されました。

2. 高品質映像の伝送



遠隔操縦においては、複数のカメラからの映像を効率的に伝送する必要があります。ハイテクインターの「BAERTⓇ」技術は、この課題を解決するために開発されたもので、帯域の最適化や伝送エラー耐性により高品質の映像伝送を実現します。

3. 超低遅延の実現



遠隔操作の精度を向上させるためには、遅延を可能な限り短縮することが求められます。「LVRC-4000」は、データの符号化による遅延を50ミリ秒に抑えることに成功し、遠隔地からでも安定した運転が 가능합니다。

今後の展開



今回の実証実験により、山間部でも信頼性の高いネットワークを構築できることが明らかになりました。今後は、さらなる実証実験を重ねて、より多様な環境での建設DX推進を図っていくとのことです。これにより、建設業界のイノベーションと生産性の向上に貢献できることが期待されています。

本実証実験は、国土交通省のSBIR建設技術研究開発助成制度により実施され、さまざまな企業との共同研究を経て実現しました。これからの建設業界における遠隔操縦の可能性は、ますます広がっていくことでしょう。


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会社情報

会社名
ハイテクインター株式会社
住所
東京都渋谷区代々木2-5-4榊原記念ビルディング
電話番号
03-5334-5260

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