リーガルスケープのAI、司法試験で圧倒的成績を記録
株式会社リーガルスケープが開発したAIが、令和6年司法試験の選択式全科目で驚異的な成績を達成しました。このAIは、ChatGPTやGeminiなどの最新のAIモデルをはるかに上回る結果を残しており、法律テクノロジーの進化を示しています。
司法試験の概要
令和6年司法試験では、短答式の問題が出題され、その科目は「憲法」「民法」「刑法」の3つにわかれています。満点は175点であり、論文式試験に進むためには93点以上を取得する必要があります。
リーガルスケープのAIは、これらの問題に対して3回の試験を行い、平均得点を算出しました。その結果、リーガルスケープのAIは約160点を獲得したのに対し、Geminiは約118点、ChatGPTは約115点、Perplexityは約73点と大きな差をつけました。これにより、リーガルスケープが持つAIが、法律文献を参照した上での高い解答精度を示しました。
完答率の違い
また、完答した問題の割合にも注目が集まりました。リーガルスケープのAIは平均約90%の高い完答率を誇っています。一方、GeminiとChatGPTはともに約63%、Perplexityは約37%と、正答率の面でも明確な差が見られました。このことから、リーガルスケープのAIはただの回答ではなく、正確な情報提供に優れていることが分かります。
法律情報の取得方法
リーガルスケープに搭載されているAIは、長年にわたり日本の法制度の変革を支えてきた出版社から提供された多様な法律書籍や判例解説書を参照しています。このAIは、そうした情報を体系的かつ正確に要約する能力を持ち、ユーザーはその根拠となる文献にも直接アクセスできる仕組みになっています。
現在、リーガルスケープのAIは開発中のバージョンを使用しており、さらなる安定性の確認を行った上で、順次ユーザーに提供予定です。すでに22,000名以上の企業法務部や法律事務所に利用されています。
Legalscapeのサービス
2021年から提供開始されたリーガルリサーチプラットフォーム「Legalscape」は、法律情報を迅速に要約し、必要な法情報にアクセスするための強力なツールです。2023年9月には生成AIと独自の自然言語処理技術を組み合わせたAIリサーチ機能を日本で初めて導入し、3,700冊以上の書籍を含む膨大なコンテンツに対応しています。
会社概要
株式会社リーガルスケープは「すべての法情報を瞬時に把握できる世界を実現する」というビジョンのもと、高度な自然言語処理技術や生成AIを駆使して、法律情報のデータベース構築とその利活用を進めております。
公式ウェブサイト: リーガルスケープ
本記事で紹介した成績とAI技術の進化は、法律分野のみならず他の分野への応用が期待される中で、今後の発展が楽しみです。