ファーストシステム、革新的な油侵冷却システム「CarnotJet™」を発表し省エネを実現

ファーストシステムが発表した「CarnotJet™システム」の魅力

ファーストシステムは、データセンター向けの新しい油侵冷却システム「CarnotJet™システム」を発表しました。この先進的なシステムは、従来の空冷システムと比較して大幅な電力削減を実現します。

従来の冷却方法との比較

従来のサーバー用空冷システムでは、冷却に必要な電力がサーバー本体が消費する電力の50～60％にも達します。しかし、最も電力効率の高いデータセンターでも、この割合は10～20％です。一方、「CarnotJet™システム」は、冷却用の電力をわずか2～3％に抑えることができるため、データセンター全体の消費電力を大幅に削減します。これにより、データセンターの建設コストも60％以上削減可能になると言います。

具体的な特徴

「CarnotJet™システム」は高い省コストと省エネルギー性能を誇り、PUE（Power Usage Effectiveness）を1.09に抑えることができます。このシステムは、冷却電力の95％をカットし、追加のエアコンやチラーなどの冷却機器を必要としません。さらに、専用のサーバーを必要とせず、汎用品を利用できる点も魅力です。

また、冷却油は10年間再利用可能で、熱効率に優れており、一つのラックで最大100Kwの冷却が可能です。冷却油を用いることで、空気の1200倍の熱保持力を持つため、高い効率で冷却が行えます。具体的には、サーバーや部品の周囲を冷却油で満たし、全方位からの冷却を実現しています。

簡単な設置と安全性

施工にかかる時間が短く、可動開始までの時間も短縮できるこのシステムは、安全性にも配慮されています。使用される冷却油は難燃性であり、高い発火点を持っているため、消防法の対象外です。また、漏れ対策や循環系統の二重化によって、非常時の温度上昇も緩やかです。実際に、冷却油の循環が止まっても約12時間は温度を維持できるため、復旧に必要な時間を確保しています。

製品の詳細と今後の展開

「CarnotJet™システム」は、2015年5月13日（水）から15日（金）まで東京ビッグサイトで開催されるデータセンター構築運用展「春」において、デモ用機器を展示する予定です。ブースナンバーは「東33-12」で、データセンターの運用効率に関心のある方々にその魅力を直接体験してもらえる機会となっています。

まとめ

ファーストシステムの「CarnotJet™システム」は、データセンターにおける冷却の常識を変える革新的なソリューションと言えるでしょう。省エネルギー性に優れ、コスト削減にも寄与するこのシステムは、データセンターの未来に大きな影響を与えることが期待されます。興味のある方は、ぜひ展示会で直接ご確認ください。