APB、全樹脂電池技術のライセンスを取得
APB株式会社は、日産自動車と三洋化成工業から全樹脂電池に関する要素技術のライセンスを取得したと発表しました。このライセンスは、日本国内外での全樹脂電池の開発、製造、販売の権利を含んでおり、APBは全樹脂電池の分野において新たなスタートを切ることとなります。
全樹脂電池は、従来のリチウムイオン電池に代わる次世代の蓄電技術として注目されています。APBの現代表取締役である堀江英明氏が1990年代に構想を立て、日産および三洋化成は2012年からこの技術の研究開発を進めてきました。この技術の大きな特徴は、樹脂による電極の形成プロセスです。活性物質は樹脂で被覆され、樹脂集電体に塗布されることで作られます。この独自の製造プロセスにより、製造コストの削減やリードタイムの短縮が実現されます。
さらに、全樹脂電池は高い異常時信頼性とエネルギー密度を誇ります。構造はバイポーラ積層型であり、部品数が少ないため、コスト効率も良好です。また、樹脂の特性により電極の厚膜化が容易で、セルの大型化や形状の自由度が高いのも大きな利点です。このように全樹脂電池は、リチウムイオン電池の理想的な構造とも言えるでしょう。
APBがこの技術を手に入れることで、同社は世界で初めて全樹脂電池の製造および販売を行うスタートアップ企業となります。堀江氏は、この契約によって手に入れた革新的な技術を使って、本格的な生産体制を整えることができると喜びの声を上げています。「技術の社会実装に向けて、より一層の努力を重ねていきたい」との意気込みを表明しています。
APBは、全樹脂電池の知識と技術を活かし、リチウムイオン電池中の各種パートナーとの協働を進めながら、電池産業における革新を促進することを目指しています。これにより、APBは未来のエネルギー技術の中心的な企業として、重要な役割を果たすことになるでしょう。
APB株式会社の会社概要
APBは2018年10月に設立され、日産自動車の電気自動車『リーフ』のリチウムイオン電池開発を主導した堀江英明氏が代表を務めています。APBではリチウムイオン電池の研究開発、製造、販売、さらにはコンサルタント業務にも取り組んでおり、全樹脂電池の量産化を目指しています。
所在地は東京都千代田区神田須田町1丁目3番地9のPMO神田万世橋3階で、企業の成長とともに拡大を続けています。APBが持つ革新的なビジョンと技術に期待が寄せられている中、彼らの進展は注目に値します。
お問い合わせは、APB株式会社のコンタクトアドレスまでお願いします。公式サイトで最新の情報も確認できます。
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