Datadogが発表した新たなオープンソースAI基盤モデル「Toto」と時系列ベンチマーク「BOOM」
Datadogが新たなAI基盤モデル「Toto」とベンチマーク「BOOM」を発表
ニューヨーク発のDatadog, Inc.は、オブザーバビリティとセキュリティを統合したプラットフォームを提供する企業として、これまでの研究成果を基に新たなAI関連技術を発表しました。特に注目されるのは、同社の研究部門であるDatadog AI Researchが開発したオープンソース基盤モデル「Toto」と、新しい時系列ベンチマーク「BOOM」です。この2つの成果は、クラウドのオブザーバビリティとセキュリティに対する実践的な問題解決を目指しており、研究コミュニティに大きな影響を与えることが期待されています。
オープンソース基盤モデル「Toto」の特徴
「Toto」は、時系列データに特化したオープンソースの基盤モデルです。このモデルは、Datadog独自の内部テレメトリデータを基に学習され、一般的なパターンを理解するための強力なツールとして位置づけられています。既存の時系列基盤モデル(TSFM)に比べ、優れた性能を発揮することが実証されており、特にゼロショット予測機能が注目されています。この機能により、異常検出やキャパシティプランニングを迅速に行うことが可能です。
「Toto」は、数十億に及ぶ一時的な時系列データを監視し、迅速に分析できる能力を持っています。そのため、これまでのTSFMが抱えていた課題をも乗り越える新たな技術として、非常に期待されています。このモデルは無料で提供され、多くの開発者や研究者に利用可能です。
新たな時系列ベンチマーク「BOOM」
「BOOM」は、オブザーバビリティメトリクスに特化した全く新しい時系列ベンチマークです。これは2,807件の実世界の多変量時系列から収集した観測データを基に作成され、オブザーバビリティメトリクスに特化した公開ベンチマークとしては過去最大規模を誇ります。この豊富なデータセットは、実際の本番環境でのテレメトリに特有のスケーラビリティやデータ欠損などの特性を反映しています。これにより、研究者はより精緻な予測モデルを開発できる土壌が整いました。
「BOOM」はコミュニティによって持続的に維持され、研究の進展を促す役割を果たします。これにより、オブザーバビリティの分野における新たな発見や技術革新が期待されます。
Datadogの今後の展望
Datadogのチーフサイエンティストであるアミート・タルウォルカー氏は、「今回の発表は、私たちにとって大きな一歩です。AI技術を通じて、コミュニティに貢献し、企業の課題解決をサポートするプロトタイプを開発し続けていく予定です。」と語ります。また、エンジニアリングチームとのコラボレーションにより、顧客のニーズをより深く理解し、改善を進めていくことを計画しています。
今後、Datadog AI ResearchはさらなるAIプロジェクトをリリースし、オープンソースの資源を通じてコミュニティの発展に貢献することを目指しています。「Toto」と「BOOM」は本日よりパーミッシブライセンスのもとでダウンロード可能で、より多くの研究者や開発者がこの新たな技術の恩恵を受けることができるでしょう。
最後に
Datadogは、オブザーバビリティとセキュリティの分野での新たな革新を通じて、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援しています。これからも技術革新に取り組み、クラウド移行を加速させるためのプラットフォームを提供し続けます。詳しくは、Datadogの公式サイトをご覧ください。
会社情報
- 会社名
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Datadog Japan合同会社
- 住所
- 東京都千代田区丸の内2丁目7−2JPタワー 19F
- 電話番号
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