クリスチャン・ドルーアン氏が語るカルバドスの魅力
フランス・ノルマンディーの名門「コント・ルイ・ド・ローリストン」のクリスチャン・ドルーアン氏が来日し、カルバドスの深い歴史と哲学、そして日本市場への未来のビジョンについて語った。約40年にわたる彼の経験から生まれるその言葉には、カルバドスの本質を見極める力が息づいていた。
カルバドス生産の起源
ドルーアン氏の家族がカルバドス造りを始めたのは、父が偶然購入した農場が発端だった。この農場にはシードル用リンゴの木が植えられており、最初はリンゴをどうするかを考えた挙句に蒸留を始めたという。「プロとしての意図は全くなく、ただ貯蔵を始めただけでした」と彼は当時を振り返る。その結果、20年間という長い時をかけて高品質の原酒が蓄えられていった。
1979年のカナダからフランスへ
ドルーアン氏は、カナダ・モントリオールでの安定した生活を捨て、1979年にフランスに帰国する決断を下した。「父からの『戻って手伝ってほしい』という一言が、私の人生を変えました」と語る。その時、彼は生産や販売に関しては何の経験もなかったが、家族の絆が彼を奮い立たせた。
妥協のない品質へのこだわり
事業を始めるにあたって、ドルーアン氏は「最高の場所からスタートする」ことを重視した。彼は「原酒が卓越していることを理解していたので、ミシュラン星付きレストラン、高級ホテル、酒販店という特定の市場に集中しました」と説明する。彼の戦略は、カルバドスの古臭いイメージを打破するものだった。
ブランド「コント・ルイ・ド・ローリストン」の誕生
1990年代初頭、優れたカルバドスを保有する協同組合が抱える危機から生まれた「コント・ルイ・ド・ローリストン」というブランド名。フランス当局からも認められたその高品質な原酒は、歴史あるブランドの礎となった。
果実を尊重する哲学
コント・ルイ・ド・ローリストンのカルバドスは、添加物を一切使用せず、伝統的な製法を守ることをフィロソフィーとして掲げている。「新樽を使わず、果実の香りを大切にした長期熟成が重要です」とドルーアン氏は教えてくれた。こうしたシンプルで誠実な制作哲学が、彼らの製品に透明感と奥行きをもたらしている。
カクテル文化の革新
ドルーアン氏は早くから、カルバドスがカクテル文化にどのように貢献できるかを考えていた。「多くのスピリッツに比べ、果実の香りが非常に豊かです」と述べ、日本を含む世界中のトップバーテンダーたちと連携し、カルバドスを「現代的で用途豊富なスピリッツ」として再定義することに成功した。
日本市場に寄せる期待
「日本市場には非常に前向きです」とドルーアン氏は語る。彼は、カルバドスのニッチな存在が日本に理解される時代が来ると期待している。「特に、日本のバーテンダーたちの関心が高まっていることを実感します」とのこと。長年の経験から、彼は確信を持って未来を見据えていた。
限定ヴィンテージのリリース
今回の来日を記念し、特別に用意された限定のヴィンテージ・カルバドスが日本市場に登場する。各国の品評会での受賞歴を誇るこれらの製品は、1961年から2006年までの貴重なボトルを含み、多くのファンに愛されることは間違いない。
是非とも、この貴重な機会をお見逃しなく。あなたの特別な瞬間を彩る一杯として、コント・ルイ・ド・ローリストンのカルバドスを試してみてはいかがだろうか。