東京23区のマンション価格
2025-07-04 19:20:51

2025年上半期、東京都23区の中古マンション価格が異常加速中

2025年も上半期を迎え、ますます注目が集まる不動産市場。特に東京都23区における中古マンションの価格動向は、大きな関心を呼んでいます。「価格が上昇している」との報道は多々ありますが、その背後に潜む“スピード”や“エリアごとの差”に関する深い分析はあまりなされていません。このレポートでは、東京都23区の中古マンション市場を半年ごとの成約坪単価という視点で計量分析し、2025年上半期に見られた“異常な加速”の実態を掘り下げていきます。

東京都23区全体で見る価格上昇


2025年の上半期、東京都23区全体の平均成約坪単価は前の半期から7.5%上昇しました。この数字は過去数年のデータと比較しても異常とも言えるもの。地価や建築コストの上昇に加え、都心エリアへの集中トレンドが背景にあると考えられます。[グラフ1]では、東京都23区の半期ごとの中古マンションの平均坪単価上昇率を示しています。これまでの推移から見ても、高騰の様相は明らかです。

都心5区の価格が急激に上昇


更に注目すべきは、いわゆる「都心5区」――千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区での価格の動きです。これらの地区では、2025年上半期に前半から15.5%という驚異的な上昇率を記録しています。この数値は、通常の市況では考えられない速さであり、価格上昇のトレンドに新たな局面を迎えています。

また、東京23区の中でも、特に港区や渋谷区では再開発に伴う高付加価値エリアの創生が進み、需要が高まっています。[グラフ2]を見れば、半期ごとの中古マンションての平均坪単価の上昇率が一目で分かります。

超局地的な加速:


対照的に、都心5区以外の18区が記録した同時期の上昇率は3.2%と安定しています。つまり、東京都全域で一律に高騰しているわけではなく、特定のエリアで顕著に加速が進んでいるのが特徴です。

注目エリア:品川区・目黒区


今後は特に「品川区」と「目黒区」に注目が集まることでしょう。品川区はリニア中央新幹線の開業を背景にした再開発が進められており、大きな変化が期待されています。このエリアでは住宅ニーズも高まり続け、商業や業務機能との複合開発がこれを後押ししています。

目黒区もまた、自然環境と文化的な魅力を持つエリアであり、ファミリー層や富裕層からの人気が高まっています。新しい高級マンションの増加が坪単価を押し上げ、その価格の上昇が見られます。この2つの地区は、2025年上半期に急激な価格上昇があり、今後も注目を集めるでしょう。

価格帯別動向


次に価格帯別の動向に目を移すと、成約価格が2億円以上の物件は、同時期に9.2%の上昇を示しました。対して2億円未満の物件では、わずか2%の上昇です。このことから、富裕層の投資対象が高価格帯に集中してきているのが明確になります。

実需層による取引が中心の価格帯では、安定した上昇が続いている一方、資産運用を目的とした取引では変動幅が大きく、地政学的リスクやマクロ経済要因の影響を受けやすくなっています。

結論


2025年上半期において、東京都23区のマンション価格が加速する現象は、特に都心5区や特定エリアで顕著です。このような状況下で投資や購買においては、どの価格帯でどのエリアが動いているのかという具体的な視点がますます重要になってくるでしょう。今後もこのトレンドがどのように進展するのか、その動向に注目です。

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福嶋 真司はマンションリサーチ株式会社で不動産データ分析責任者を務め、東京都23区のマンション市場に関する詳細な調査を行っています。福嶋総研は不動産市場の動向を分析し、消費者や投資家に対して有益な情報を提供しています。詳細なデータ分析を行い、今後のトレンドに関する見解を提供していくことで、より良い投資判断や購買行動を促進することを目指しています。


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会社情報

会社名
マンションリサーチ株式会社
住所
東京都千代田区神田美土代町5−2第2日成ビル 5階
電話番号
03-5577-2041

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