スマートフォン二台持ちの利用実態
2024年4月、株式会社ICT総研が実施した調査によると、日常的にスマートフォンを2台以上利用しているユーザーは全体の10.4%に達しています。この調査は2024年4月9日から16日にかけて行われたもので、対象は20歳以上の男女です。
日本の携帯電話契約数は2023年12月末時点で約2億1,873万契約となっており、2022年度に2億契約を突破した後も微増を続けています。この契約数には法人契約も含まれていますが、個人でスマートフォンを2台所有することは一般的になりつつあります。
スマートフォン利用状況の内訳
調査の結果、個人契約で2台持ちをしているユーザーは、全体の10.4%に過ぎないものの、日常的に「1台」を利用しているユーザーは84.7%を占めることが分かりました。調査ではタブレット端末や法人契約の端末は含まれていないため、これらを考慮すると利用している端末の数はさらに増加する可能性があります。特筆すべきは、携帯電話端末の97%がスマートフォンであるという点です。さらに、意外なことに、iPhoneを使用している割合がAndroidスマートフォンよりやや上回っています。
楽天モバイルとMVNOの活用
特に注目すべきは、楽天モバイルやMVNO(仮想移動体通信事業者)の利用に関するデータです。2台持ちユーザーに対する調査では、1台目のスマートフォンに関して、NTTドコモが47.2%、auが15.8%、ソフトバンクが20.2%、楽天モバイルが7.4%、MVNOが9.4%と示されました。一方で、2台目のスマートフォンについては、楽天モバイルやMVNOの利用率が高まっており、1台目に比べてより多くのユーザーがこれらを選択していることがわかりました。
この傾向は、通信キャリアを変更することによる金銭的メリットや利便性に起因するものと考えられます。特に、1台目にNTTドコモを利用している場合、2台目も同じくNTTドコモを首選するユーザーの割合は68.1%と非常に高い数字を記録しました。これは、提供される割引プランや請求のまとめ、ポイント制度の活用といった要素が影響しています。
今後の展望
今回の調査結果を受けて、今後ますます個人でスマートフォンを2台以上持つユーザーが増えることが見込まれています。ICT総研は、今後も携帯電話やスマートフォンの「利用実態」、「料金」、「つながりやすさ」、「通信速度」などについて、定期的に調査データを提供し、マーケットの動向を把握していく方針です。
この調査結果は、すべて2024年4月実施時点のものであり、Webアンケートは4,564件の回収数を得ました。
企業情報
ICT総研は2011年に設立され、市場調査とコンサルティングを専門とする独立系調査会社です。資本金は1000万円で、代表者は代表取締役の齊藤和氏。現在、企画スタッフ、リサーチャー、アナリストで構成された約20人のチームが活動しています。詳しくは
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