環境に優しい航空へ、コスモ石油とデルタ航空が大規模な契約を締結
コスモ石油マーケティング株式会社とデルタ航空が持続可能な航空輸送を目指して新たなステップを踏み出しました。両社はSAF(持続可能な航空燃料)の売買契約を結び、これによりデルタ航空はアジア太平洋地域において初めて本燃料を利用することになります。
契約の締結は、持続可能な航空産業の発展にとって重要な一歩です。コスモ石油マーケティングは、国産廃食用油を原料とするSAFを大規模に生産し、2025年度からデルタ航空へ供給を開始します。この取り組みはNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業を受けて実現したものであり、国内における持続可能な燃料の供給に向けた重要な動きといえるでしょう。
国内初の国産SAFの供給
今回取引されるSAFは、施設の国産廃食用油を利用して製造され、環境に配慮した認証制度「ISCC CORSIA認証」および「ISCC EU認証」を取得しています。コスモ石油株式会社を含む製造者の合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYが製造を担当しており、今後、同社は航空輸送の持続可能化に向けての強力なパートナーとなるでしょう。
コスモエネルギーグループは、2050年のカーボンネットゼロを目指しており、このSAFの供給はその目標の実現に向けた重要な一環です。サプライチェーンの構築に加え、サービスステーションでの廃食用油回収プロジェクトも展開することで、地域社会の意識向上にも寄与しています。
コメントから見る企業の思い
コスモ石油マーケティングの森山社長は、「SAFは私たちの脱炭素戦略における重要な商品であり、利用されるお客様が脱炭素に貢献できることを嬉しく思う」と語ります。これは、グローバルネットワークを持つデルタ航空との連携がもたらす相乗効果を期待するものです。
合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYの秋鹿代表も、「政府や関係各所のサポートを受けて実現に至った」とし、地域の資源循環に向けた活動への感謝を表明しました。これに対し、デルタ航空のアメリア・デルーカ氏は、SAFが航空業界の脱炭素化において非常に重要であるとし、コスモエネルギーグループとの協力で供給を拡大する期待を示しています。
未来に向けた持続可能な航空輸送
この契約の意義は、単なる燃料供給にとどまらず、持続可能で原料循環型の社会の実現への強力な一歩となるでしょう。航空業界を取り巻く課題解決は、今後の企業の持続的発展にも直結するものです。コスモエネルギーグループの取り組みとデルタ航空の協力は、サステナブル社会の実現に向けた新たなモデルケースとなることが期待されています。
私たちは、このような素晴らしい取り組みがさらに広まっていくことを願っています。将来的には、ますます多くの企業が持続可能なエネルギー源を利用し、全体としての環境負荷を減少させていくことが求められるでしょう。これからの展開に注目が集まります。