高齢者のケアニーズ調査
2023-04-27 09:10:01

高齢者のケアニーズ:4人に1人が支援不足、国際研究で明らかに

高齢者のケアニーズ:4人に1人が支援不足、国際研究で明らかに



世界保健機関(WHO)神戸センターと一橋大学社会科学高等研究院の共同研究により、衝撃的な事実が明らかになりました。高齢者の4人に1人が、介護や支援のニーズを十分に満たされていないというのです。この研究は、世界規模で高齢者を対象としたヘルスケアと継続的ケアにおけるアンメットニーズ(充足されていないニーズ)を分析した初の包括的な調査です。

研究概要:広がる支援の空白



研究チームは、1996年から2020年にかけて発表された101件の関連研究を分析。その結果、高齢者の10.4%がヘルスケアにおけるアンメットニーズを抱えていることが判明しました。これは、自覚している健康問題に対して、受診を控えたり、遅らせたりする状況を指します。

特に、医療費の負担、医療機関の不足、時間的な制約、健康問題の深刻さの認識不足、医療提供者への不信感などが、アンメットニーズの主な要因として挙げられました。さらに、女性、低教育レベル、低所得者、無保険者、健康状態が悪い高齢者ほど、アンメットニーズを抱える割合が高い傾向が見られました。

介護・支援ニーズ:深刻な状況



より深刻なのは、継続的なケアにおけるアンメットニーズです。日常生活に支障があるにもかかわらず、身の回りの世話や介助を受けていない高齢者が、全体の4分の1にのぼることが判明しました。この問題は、都市部よりも農村部で顕著にみられました。

アンメットニーズ解消への道筋



この研究結果は、高齢化社会における医療・介護システムの現状を浮き彫りにしました。高齢者のニーズに十分に応えられていない現状を改善するには、いくつかの対策が不可欠です。

まず、医療費や介護費の負担軽減が急務です。すべての人が安心して医療や介護を受けられるよう、経済的な障壁を取り除く必要があります。次に、医療機関や介護サービスへのアクセス向上も重要です。特に、地方部では、地理的な要因によるアクセス困難さが問題となっています。交通手段の確保や、遠隔医療の活用などが考えられます。

さらに、高齢者にとって受け入れやすいサービス提供体制の構築も必要です。高齢者のニーズや価値観を理解し、個々の状況に合わせた柔軟なサービス提供が求められます。

今後の展望



高齢化が加速する中、医療・介護へのニーズはますます高まっています。今回の研究結果は、アンメットニーズ解消に向けた政策や社会全体の取り組みを促す重要な一歩となるでしょう。関係者による迅速かつ的確な対応が、高齢者の生活の質向上に繋がることを期待したいものです。


会社情報

会社名
WHO健康開発総合研究センター(WHO神戸センター)
住所
兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-5-1 I.H.D. センタービル 9階
電話番号

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