スーパーコンピュータ「富岳」に新たな進化が加わる
理化学研究所(理研)と株式会社GFLOPS(GFLOPS)が共同で取り組むスーパーコンピュータ「富岳」のサポートサイトに、画期的な生成AIチャットサービス「AskDona」が導入されました。このシステムは、ユーザーからの一次問い合わせに対して、AIによる自動応答を実現するもので、従来の有人対応からの完全移行を果たしました。
「AskDona」とはどのような存在か
「AskDona」は、昨年7月に導入され、検索拡張生成技術(RAG)を用いています。この技術は、大量の情報を迅速に処理し、ユーザーが必要とする答えを的確に導き出す力を持っています。導入にあたっては、その回答精度の高さが厳正な審査を経て評価され、富岳を利用する研究者やエンジニアにとって、非常に利便性の高いツールとなっています。
自動化の評価と実績
約半年間の実運用を経て、「AskDona」は高い精度での回答を提供する能力を示し、自己解決を支援するツールとして機能していることが確認されました。利用者からは、以前に比べて問い合わせが円滑に行えるという声が寄せられています。また、ハルシネーション(誤情報が生成される現象)のリスクの分析も行い、その結果も好評価を得ています。これらの実績を基に、2025年2月より「AskDona」が一次対応を全面的に担うことが決定しました。
理研による生成AIの推進
理化学研究所内の計算科学研究センター(R-CCS)では、生成AI技術の活用に注力しており、その取り組みについても発信しています。センター長の松岡氏が語る、世界最高峰のスーパーコンピュータ「富岳」と生成AIとの融合に向けたビジョンは、研究開発の最前線における新しい方向性を示しています。これにより、富岳が社会にどのように実装され、貢献していくのかが期待されるところです。
ウェビナーで深く学ぶ
「AskDona」のRAG技術をより詳細に理解するためのウェビナーも予定されています。2025年2月20日(木)11:00より、オンライン形式で開催されるこのウェビナーでは、参加者が実際の使用事例や実装方法を学ぶことができます。事前登録制となっているため、参加希望者は早めの応募をお勧めします。
GFLOPSの背景
運営するGFLOPSは、AI技術とデータ分析を駆使して企業の業務を効率化するソリューションを提供しています。こちらでも大規模言語モデル(LLM)を基にした生成AI技術の導入が進んでおり、異なる業界への展開が進んでいます。GFLOPSの公式ウェブサイトでは、様々なサービスや最新情報が提供されています。
まとめ
今後、「富岳」のユーザーは、生成AIチャット「AskDona」を通じて、より迅速で的確なサポートを受けられるようになります。このシステムの進化は、AI技術がどのように生活や業務を変革していくかを示す一例です。さらなる技術の進展に注目が集まります。