ASCENT-07試験の結果
2025-11-26 13:29:57

ギリアドが発表した第III相ASCENT-07試験の結果と今後の展望

ギリアドが発表した第III相ASCENT-07試験の結果



ギリアド・サイエンシズは、11月7日に転移・再発のホルモン受容体陽性かつHER2陰性(HR+/HER2-)乳がん患者を対象とした第III相ASCENT-07試験の結果を公表しました。この試験では、一次治療としてトロデルビ(一般名:サシツズマブ ゴビテカン)を内分泌療法後に化学療法と比較しましたが、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は達成されなかったと報告されています。

試験の概要


このASCENT-07試験は、HR+/HER2-乳がんの患者において内分泌療法による治療歴を有し、細胞障害性化学療法が考慮される患者を対象にしています。約30カ国から654人の患者が参加し、患者はトロデルビ投与群と通常の化学療法群に無作為に分けられました。主な評価としてBICRによるPFSが設定されており、これに加えて全生存期間(OS)や生活の質(QOL)についても評価されています。

副次的評価項目の結果


OSに関する主要解析は未成熟とのことですが、初期のデータによると、化学療法群と比較してトロデルビ投与群で好ましい傾向が見られました。この結果を受け、ギリアドは引き続きOSの評価を行い、トロデルビの長期的な潜在的影響を解明する重要性を強調しています。治験責任医師のホープ・S・ルーゴ医師は、転移・再発HR+/HER2-乳がん患者における治療の難しさとこの研究の重要性を強調しています。

トロデルビの安全性について


ASCENT-07試験でのトロデルビの安全性に関するデータは、過去の試験結果に一致しており、新たな安全性上の懸念は浮上していないとのことです。これに関してギリアドのチーフ・メディカル・オフィサーであるディートマー・ベルガー博士は、トロデルビが現在、転移・再発のHR+/HER2-乳がんに対する標準治療になっていることに触れ、治験に参加する患者やその家族への感謝を述べました。

トロデルビの承認状況


トロデルビは現在、転移・再発のHR+/HER2-乳がん及びトリプルネガティブ乳がん(TNBC)の治療薬として世界中で承認されており、特にPD-L1の発現状況にかかわらず、一次治療において有意かつ臨床的に重要なPFSの改善を示すことが確認されています。このような成果は、今後の抗がん治療に大きな影響を与えるものと考えられます。

今後の展望


ギリアドは、高リスクの早期トリプルネガティブ乳がん患者を対象にしたASCENT-05試験を行い、さらに肺がんや婦人科がんにおける薬剤の可能性を探る新たな第III相試験も計画しています。今後、トロデルビがやがてどのように進化し、幅広いがん種への適応が進むのか、医療界の注目が集まります。

結論


現在進行中のASCENT-07試験のデータやトロデルビのいくつかの成功事例は、今後の乳がん治療において重要な影響をもたらす可能性があります。患者への支援体制と共に、治療の選択肢がますます広がることを期待しています。

会社情報

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ギリアド・サイエンシズ
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