アーティストとの出会いが新たな学びを生む
東京都渋谷区に位置する複合文化施設「Bunkamura」は、長期休館を経て、文化・芸術を身近に感じられるプログラム「Bunkamuraオープンヴィレッジ」を展開しています。この一環として、2023年から大日向小学校で行われている《探究型・芸術体感プログラム》は、子どもたちの感性を育むことを目的としています。
文化芸術体験の新たなスタイル
昨年、長野県佐久穂町の大日向中学校で成功を収めたこのプログラム。今年度は、大日向小学校の3・4年生を対象にした活動が行われています。アーティストの鈴木康広氏が参加し、「見立て」をテーマとしたワークショップが6月に開催されました。これにより、子どもたちは自身の探究心を引き出すきっかけを得ました。
鈴木康広氏とのワークショップ
2024年6月11日、大日向小学校で鈴木氏によるワークショップが行われました。鈴木氏は、子どもたちに自らの作品や制作過程を共有し、「見立て」の世界への扉を開くことを目指しました。子どもたちは、普段無意識に認識している日常の中から新たな視点を見つけ出す方法を学びました。
ワークショップでは、最初に鈴木氏が「見立て」に関連する作品を紹介。子どもたちの興味を引き出すためのアプローチが随所に見られました。その後、グループを作り、それぞれの好きな場所で見立てを探し始めました。子どもたちは発見した物に対して、自分自身の視点や感性で名前を付けていきます。
作品展で発表された子どもたちの「見立て」
このワークショップの成果を発表する場として、2024年7月18日に「見立て」の作品展が大日向小学校体育館で行われました。会場には、60点近い作品が展示され、子どもたちは互いに刺激を受け駆け寄り、積極的に交流を深める様子が観察されました。教頭の青山光一氏は、アーティストとの出会いが教育に与える影響の重要性を語りました。
鈴木氏との出会いがもたらす学び
ワークショップでは、鈴木氏が子どもたちに様々な問いを投げかけ、彼らの反応を引き出しました。子どもたちは、アーティストの斬新な視点に驚き、楽しみながら自分の意見を自由に表現しました。鈴木氏は、「身近な発見の先に、面白いことが待っている」と伝え、日常生活の中にも宝箱が隠れていることを示しました。
Bunkamuraの「オープンヴィレッジ」では、今後も様々な地域での文化・芸術体験を通じて、子どもたちの自己表現や可能性を広げ続けるプログラムが実施されます。大日向小学校の子どもたちが創り出した作品の数々は、探究心を育む一歩となることでしょう。
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