若者と気候変動
2025-09-24 10:48:27

気候変動が若者の進学・就職選択に及ぼす影響とその実態

気候変動が若者の進学・就職選択に及ぼす影響



国際NGO「プラン・インターナショナル」は、2025年8月に全国の15〜39歳の若者2,070人を対象としたオンライン調査を実施し、そこから得られた速報結果を発表しました。この調査の目的は、気候変動の影響を若い世代、特にユース世代(15〜29歳)とそれより年齢が上の世代(30〜39歳)で比較し、進学や就職、キャリア設計に与える影響を明らかにすることです。

気候変動の実感


調査結果によると、約8割以上の若者が気候変動を実感しており、特に15〜19歳及び30〜39歳の層で「非常に感じる」と答えた割合が高いことが分かりました。この結果から、若い世代は将来に向けた不安を強く抱いている一方で、年齢が上がるにつれて生活上の実体験としての実感が強くなることが浮き彫りになりました。

家族の影響


また、過去5年の間に気候変動の影響や被災経験をした若者たちの中でも、ユース世代は特に家族単位で影響を受けていると同時に、自分自身も影響を受けたと考えている割合が高くなっています。具体的には、高温や猛暑による健康被害や、大雨や台風による避難経験などが多いようです。

進学・就職への影響


15〜19歳の若者は進学や就職の選択において、通学の安全性や災害リスクが選択に影響する傾向が強いことが明らかになりました。一方で、30代になると柔軟な働き方の選択や移住の検討が行なわれるようになるなど、ライフスタイル全体を見直しが進んでいることも特徴的です。

ジェンダー差による不安


調査の中で特に注目すべき点は、災害時における負担や配慮にジェンダー差が見られるということです。10代の女性は、災害時に安全やプライバシーに対する不安を深く抱いている一方、20代女性は気候問題に関する自分の意見が軽視されることが多いとの問題を抱えていました。これらの声は、社会における女性の意見の反映が不十分であることを示しています。

行動意欲の高さとその課題


調査では、若者の間には気候変動に対する行動の意欲が高いものの、その行動の機会が不足している現状も浮かび上がりました。特に15〜19歳の男性は高い行動意欲を示している一方、何も行動していないとする回答も多く、行動を起こすための機会が不足していることが懸念されています。

情報源と政策反映の実感


また、情報の取得方法としてはSNSやメディアが中心であることが明らかになりました。10代では学校からの情報が多い一方、年齢が上がるほどメディアからの情報に依存する傾向が見られます。しかし、政策決定に対する反映実感は低く、特に若年層ほど「反映されていない」と感じていることが指摘されています。

まとめと提言


国際NGOプラン・インターナショナルの長島美紀アドボカシーグループリーダーは、気候変動が教育や就職、将来設計に及ぼす影響を見逃してはならないと強調しています。特に、若者や女性の声が防災や気候政策に反映される必要性が高まっている今、教育や行政、メディア、市民がそれぞれの立場での行動を今一度問い直す時が来ています。この調査が、政策に反映されるべき「声」に耳を傾けるためのきっかけとなることを願っています。

本調査の詳細な結果は2026年1月に公開される予定です。プラン・インターナショナルは、子どもや若者が直面している不平等を解消すべく、世界中でさまざまな分野で活動を続けています。


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会社情報

会社名
公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン
住所
東京都世田谷区三軒茶屋2-11-22サンタワーズセンタービル10階
電話番号
03-5481-6100

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