環境危機時計2026年の発表
2026年9月8日、公益財団法人旭硝子財団は東京都江東区の日本科学未来館にて、同財団が主催する「環境危機時計®︎」調査第35回記念の時刻発表会を開催しました。このイベントでは、2026年の時刻として「9時39分」が発表され、世界中の環境危機に対する意識が示されました。
環境危機時計の意味と背景
「環境危機時計」は、気候変動や生物多様性の喪失など、現在の環境課題を可視化するためのものです。この時計は単に不安を示すだけでなく、それぞれの危機意識を社会全体で共有する重要な役割を担っています。本年の時刻が「9時39分」とされた背景には、これらの問題が相互に結びついている現実が反映されています。
発表会の冒頭では、専務理事の杉本直樹氏が登壇し、2026年の世界平均時刻が前年から6分進んだことを伝えました。また、一般生活者を対象とした第7回「生活者の環境危機意識調査」の結果も発表され、大人世代の27%が環境問題を「解決できる」と感じている一方、SDGsを学んでいる高校生世代の51%が「解決できる」と回答したことが強調されました。
毛利衛氏の講演
次に、宇宙飛行士であり、日本科学未来館の名誉館長である毛利衛氏の基調講演が行われました。毛利氏は、宇宙からの視点で地球環境の重要性や危機の深刻さを伝え、環境危機時計を「地球の状態を知る手段」として位置づけました。彼は、自らの時計が「11時34分」という結果であり、危機感が高いことから、急速な人口増加に対する警鐘も鳴らしました。
毛利氏は「地球生命として生き伸びるために、決して諦めず持続的な行動をとるべき」と強調し、希望を与えました。
特別対談: 江守正多氏と野口絵子氏
毛利氏の講演の後、気候科学者の江守正多氏と登山家の野口絵子氏による特別対談が行われました。彼らは、環境危機時計の示す時刻に関して意見を交わし、特に若い世代のポジティブな姿勢が未来における希望であると認識しました。野口氏は「起きてしまった危機をどう止めるか」を問いかけ、江守氏は専門家のギャップを指摘しながら、実際の行動が進んでいることにも触れました。
お二人の「私の環境危機時計」が偶然にも「8時54分」となったことで、会場は一層活気づき、これを受けて日常生活の中での行動の必要性が訴えられました。
島村琢哉理事長のまとめ
発表会の締めくくりには、理事長の島村琢哉氏が参加者に向けて挨拶を行い、環境危機時計が未来を悲観するためのものではなく、行動を促すための時計でありたいと述べました。彼は「この機会が、それぞれの立場から地球環境について考え、行動を起こすきっかけとなればうれしい」と強調しました。
この発表会は、出席者全員が『ジオ・コスモス』を背景に質疑応答を行い、盛況のうちに幕を閉じました。
開催情報
- - 日時: 2026年9月8日(火)15:00〜16:15
- - 場所: 日本科学未来館(東京都江東区青海2-3-6)
- - 主催者: 公益財団法人旭硝子財団
- - 登壇者: 毛利衛氏、江守正多氏、野口絵子氏、島村琢哉氏、杉本直樹氏