岡山大学が発表した新たなGVHD治療法が注目を集める！

岡山大学が口腔内細菌とGVHDの新たな関係を発見

岡山大学の医学部血液・腫瘍・呼吸器内科の研究チームは、同種造血細胞移植後に発生する慢性移植片対宿主病（慢性GVHD）と口腔内の細菌叢との関連性を示す重要な研究成果を発表しました。この研究は、2024年12月に米国の血液学専門誌「Blood」で掲載されました。

研究の背景と目的

慢性GVHDは、造血細胞移植を受けた患者において、移植された細胞が自己の組織を攻撃することで引き起こされます。これが治療の難しさを生む要因となっています。研究チームは、移植患者の予後が口腔内の細菌叢の状態に影響されることに着目し、口腔内細菌の乱れが慢性GVHDの発症にどのように関与しているかを明らかにすることを目指しました。

研究の成果

研究の結果、口腔内の細菌叢の乱れが慢性GVHDの発症とその重症度に強く関連していることが示されました。具体的には、細菌叢の不均衡や特定の病原細菌の増殖が慢性GVHDを悪化させるメカニズムが明らかになりました。ヒトの臨床データとマウス実験を通じて、この重要な知見が確認されたのです。

研究者の神原由依客員研究員は、「移植患者へ還元できる研究にしたい」との思いを語り、歯科医師との連携を強調しました。この研究が患者の口腔ケアの重要性を再認識させる成果につながったことが大きな意義とされています。