海の未来を変える！ウルトラファインバブルによる新たな磯焼け対策の成果

目に見えない泡、ウルトラファインバブルが海を救う

2023年、株式会社TKSは三井共同建設コンサルタントとの共同研究により新たな技術の開発に成功しました。それがウルトラファインバブル（UFB）です。この技術は、漁業・養殖業における持続可能な発展を目指すもので、特に磯焼け対策として注目を浴びています。

磯焼けとウニの生態

日本では近年、海の生態系が急速に悪化しており、その原因の一つとして「磯焼け」という現象が挙げられます。磯焼けは、ウニなどの生物が海藻などの食害を行うことで起こり、沿岸の生物多様性に重大な悪影響をもたらします。特に徳島の美波町周辺では、ムラサキウニの個体数が増えており、その結果として食用に適さない痩せウニが増加しています。

このような状況の中、TKSはUFB技術を用いて養殖環境に革命をもたらそうとしています。UFBは、目に見えないほど小さな泡（直径は0.001mm未満）であり、水中に長期間留まる特性を持っています。これにより、水生生物の生存率や成魚の育成に対するポジティブな効果が期待されています。

UFBの画期的な効果

2023年以降の研究では、徳島の海水を用いてOWFBの化学的性質を確認しました。この技術がウニの生存率向上に寄与することが示され、特に冬季の低水温下でも、生存率が上昇することが確認されました。また、UFBはウニのへい死を抑制する可能性があり、養殖や生産における新たな役割が期待されているのです。

このような研究成果は、今後の水産養殖の現場での応用に向けた基盤を作るものであり、特に持続可能な漁業の実現に寄与することが期待されています。これまで実際の海水を用いたUFB測定は困難であったため、本研究の成果は水産業界にとって画期的なものであると評価されています。

持続可能な未来に向けての一歩

TKSと三井共同建設コンサルタントの共同研究は、UFBを駆使した養殖産業への新たな挑戦です。環境問題や水産資源の減少に対する解決策を生み出すことで、海の生物多様性の回復を目指すことが求められています。今後さらに、UFB技術の普及が進んでいくことで、磯焼け対策がより効果的に実施されることが期待されています。