ヤマザワとBIPROGYが進める見切り業務のDX実証実験

ヤマザワとBIPROGYの実証実験がもたらす未来

1. 背景と取り組みの始まり

小売業界では、慢性的な人手不足が課題となり、業務の効率化が急務とされています。特にスーパーマーケットにおいては、見切り業務が重要な位置を占めています。この業務は、見切りシールを商品に貼付するという単純作業が多く、従業員の負担を大きくしているだけでなく、粗利益率の低下を引き起こします。このような背景の中、ヤマザワとBIPROGYは共同で「フレッシュオプティマイザー」というデジタル技術を用いた業務の改善に挑戦しています。

2. 実証実験の概要

この度、2025年3月27日からヤマザワの複数店舗で行われる実証実験では、「フレッシュオプティマイザー」を活用し、従業員の業務負荷をどの程度軽減できるかを検証します。このシステムは、自動的に商品の価格を変更し、見切り業務を不要にする仕組みです。これにより、見切り業務にかかる人手を他の生産的な業務に向けることが可能になります。

実証期間は2025年5月2日までの約1ヶ月間で、ヤマザワの松見町店、白山店、あさひ町店の3店舗で実施されます。具体的には、計量器やPOSシステムとの連携を図りながら、デジタル技術の効果を測定します。

3. 以前の検証での成功

前回の実証実験では、顧客に対して「フレッシュオプティマイザー」のシステムが受け入れられたかを調査しました。その結果、来店客の75%が割引価格を理解でき、担当者からの説明によって95%がその仕組みを理解することが確認されました。この成果は、今後の業務改善に向けて大きな励みとなっています。

4. 今後の展望

この実証実験によって、業務負荷軽減の効果が確認された場合、「フレッシュオプティマイザー」の正式導入を検討することになります。デジタル技術の導入は、従業員の作業環境を大きく改善し、商品の回転率を高めることにつながるため、本取り組みは業界全体に良い影響を与えるでしょう。さらに今後は、AIを活用した最適な値引き価格のシミュレーション機能を開発し、さらなる業務負担の軽減と利益率の向上を目指します。