オムロンの高血圧学会への支援と研究成果
オムロン ヘルスケア株式会社は、2024年9月14日から15日にかけてインドのジャイプール市で開催される第34回インド高血圧学会学術大会(BPCON2024)に協賛することを発表しました。この学会では、オムロンが発表する“INDIA GRAND STUDY”の結果が注目されています。
この研究は、2022年11月から2023年6月にかけてインド国内の12州、18の医療センターで行い、1,922人の高血圧患者を対象としました。研究の目的は、より効果的な高血圧治療を実現するために、医師が「家庭での継続的な血圧測定」を推奨することの重要性を確認することでした。
日本の技術でインドの健康課題を解決
インドには2億2千万人以上の高血圧患者が存在し、世界保健機関(WHO)の調査によれば、適切な治療を受けているのはおよそ15%と非常に低い数字です。また、家庭で電子式の血圧計を利用している人もわずか5%に過ぎません。このデータは、インドの高血圧患に対する認識の低さと治療の不十分さを浮き彫りにしています。
さらに、”India Heart Study 2020”によれば、医師による診察が行われる環境でも、家庭での測定が白衣高血圧や仮面高血圧の診断には重要であることが再確認されています。
INDIA GRAND STUDYの意義と成果
今回の“INDIA GRAND STUDY”では、1,922人の高血圧患者が、朝晩各1回、合計7日間にわたり家庭で血圧を測定することでデータを収集しました。また、研究の前後に医療機関での測定も行い、医療機関と家庭での血圧値の比較や管理状況について詳細な分析が行われました。
BPCON2024においては、ヒンド医科大学(Hind Institute of Medical Sciences)のナルシン・ヴェルマ教授が座長を務め、アヌジ・マヘシュワリ先生が研究成果を発表します。この発表を通じ、家庭での血圧測定の重要性が広く認識されることが期待されています。
未来の展望と社会貢献
オムロンは、2010年にインドのグルガオン市に販売会社を設立して以来、高血圧に関する社会課題の解決に向けて努力してきました。血圧計やネブライザなどの医療機器の普及や啓発活動を行い、医学界との連携を強化してきました。今後は、心電計付き上腕式血圧計などの革新的なデバイスの導入や、健康課題が深刻化している地域への遠隔診療サービスの展開を進め、インド国民が健康に生活できる環境を提供することを目指しています。
このような取り組みを通じて、オムロンはインドの高血圧患者の健康を支え、より健康的な未来の実現に貢献していく方針です。